...そこにすわってひととおりの挨拶を言葉少なに済ますと...
有島武郎 「或る女」
...どうしてひととおりやふたとおり骨の折れるしごとではなさそうです...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「旅なかま」
...ひととおり邸内の人々を取りしらべてから...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...いっぽう怪盗の予告を受けた大鳥時計店のさわぎはひととおりではありません...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...実際行なわれていることはただひととおりよりないことが明らかであるにかかわらず...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...すべてどんな経験でもひととおりはして置かねばいい作家になれぬものと信じていた...
太宰治 「断崖の錯覚」
...それを生徒の多くの作品の中から選ぶのはひととおりの労力ではなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...その心持ちの悪いことひととおりでない...
田山花袋 「田舎教師」
...ひととおりしてきかせました...
ヴィルヌーヴ夫人 Madame de Villeneuve 楠山正雄訳 「ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)」
...どうかこうか掃除がひととおり済んだ時は二人ともだいぶ親しくなった...
夏目漱石 「三四郎」
...ひととおり新聞を読むのが愉しみ...
林芙美子 「生活」
...平凡な娘がひととおりはそのようなものに眼を通す...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...甚(じん)公から、二枚落しで、四番も立ち投げを食うた」「金さん」新之助は、吉田磯吉が、コレラ騒動の新聞を見て、今日、二人を晩飯に招ぶ、といっていることを、ひととおり、話した...
火野葦平 「花と龍」
...君香は、ひととおり、輪郭を話して、ため息をつくように、「そんな思いきったことするのは、お京はんに定(き)まったる...
火野葦平 「花と龍」
...ひととおり片づく算術です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どうかひととおり眼をとおしておいていただきたい...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...ひととおりやって気が済んだら山をおりるんだな」「それを云うためにわざわざ来たのか」「いや...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...その混雑や喧騒(けんそう)はひととおりでない...
吉川英治 「新書太閤記」
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