...またひとしきり飛んで来る...
芥川龍之介 「偸盗」
...ひとしきり二人に甘えたり...
太宰治 「女生徒」
...ひとしきり私との間にいつ日本へ来たかとか...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...二三日すれば昼間はひとしきり静かになると...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分はまたひとしきり...
徳田秋声 「新世帯」
...またひとしきり頻繁(ひんぱん)に足を運ぶのだったが...
徳田秋声 「縮図」
...おりおり空から風が吹きおちて火をけそうとすると「あら」と大きな目がふりかえってひとしきり鋏の音がやむ...
中勘助 「小品四つ」
...ひとしきり烈しく吹きかけた風が...
中里介山 「大菩薩峠」
...またひとしきり聞え出してきては...
中里介山 「大菩薩峠」
...冗談(じょうだん)がひとしきり済むと...
夏目漱石 「行人」
...得意で挨拶していた若い役人はなんで笑われたのかわからず、すこし、むっとした顔つきになって、「同君は、技能抜群、誠実無類の人物でありまして、日ごろ、諸君を指導しながら、仕事熱心のあまり、今日、殉職に近い難にあわれましたことは……」また、ひとしきり、会場内は、奇妙な笑いでどよめいた...
火野葦平 「花と龍」
...」一頻(ひとしきり)陽気になつた...
平出修 「二黒の巳」
...ひとしきり時雨(しぐれ)の過ぎる音がそれに交じって聞えたりした...
堀辰雄 「曠野」
...五月二十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕五月二十五日 第四十一信又ひとしきり雨が降って来ました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ひとしきり縦横に活躍して...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ひとしきり私でさえ世評に動かされて...
室生犀星 「聖三稜玻璃」
...ひとしきりお宅の前は見物でいっぱいでしたよ」「たまには女が楽しむのもいいさ...
山本周五郎 「おれの女房」
...ひとしきり他愛もなく陶酔(とうすい)していた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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