...ひとしきり人気勢(ひとけはい)が...
泉鏡花 「歌行燈」
...ひとしきり機関銃の雨をふらせると...
海野十三 「少年探偵長」
...そこらの草かげに鳴く虫の音ひとしきり繁くなる...
薄田泣菫 「独楽園」
...私たちも大人の真似をしてひとしきり肩に濡手拭をあてて寝(やす)む事もあるのでした...
鷹野つぎ 「虫干し」
...ひとしきり食事の世話や洗濯などをして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それを知ると少女たちの声はひとしきり必死に水と助けを求める...
峠三吉 「原爆詩集」
...またひとしきり煙に和して勢いよく立ち上る火花の行くえを目送(みおく)れば...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...一時(ひとしきり)鳴く音(ね)を止(とど)めた虫さえも今は二人が睦言(むつごと)を外へは漏(もら)さじと庇(かば)うがように庭一面に鳴きしきる...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...一時(ひとしきり)夏のさかりには影をかくした蝶が再びひら/\ととびめぐる...
永井荷風 「蟲の聲」
...八重その年二月の頃よりリウマチスにかかりて舞ふ事叶(かな)はずなりしかば一時(ひとしきり)山下町(やましたちょう)の妓家(ぎか)をたたみ心静に養生せんとて殊更山の手の辺鄙(へんぴ)を選び四谷荒木町(よつやあらきちょう)に隠れ住みけるなり...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...それでわたしはひとしきりひと泣き泣いて やつたんだ...
中原中也 「在りし日の歌」
...五十三三好を中心にした洋行談がひとしきり弾(はず)んだ...
夏目漱石 「明暗」
...「お勝手で晩の支度をして居ましたよ」お辰はその時の事を思ひ出して又ひとしきりしやくり上げました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...得意で挨拶していた若い役人はなんで笑われたのかわからず、すこし、むっとした顔つきになって、「同君は、技能抜群、誠実無類の人物でありまして、日ごろ、諸君を指導しながら、仕事熱心のあまり、今日、殉職に近い難にあわれましたことは……」また、ひとしきり、会場内は、奇妙な笑いでどよめいた...
火野葦平 「花と龍」
...」一頻(ひとしきり)陽気になつた...
平出修 「二黒の巳」
...五月二十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕五月二十五日 第四十一信又ひとしきり雨が降って来ました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...不思議なお話を承ります」と大臣はひとしきり泣いた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...母がやすんでしまうと茶の間には妙にくつろいだ気分が流れてひとしきり話がはずむのだった...
矢田津世子 「父」
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