...そして荒寥(こうりょう)たる土地のうえに落ちて来る暗澹たる夜の淋しさをひしひしと感じて...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...茶店は皆ひしひしと真夜中のごとく戸を鎖(とざ)して...
泉鏡花 「婦系図」
...腕力?」看護員はひしひしとその身を擁せる浅黄の半被(はっぴ)股引(ももひき)の...
泉鏡花 「海城発電」
...ひしひしと身にせまって来た...
伊藤左千夫 「落穂」
...丈を揃えてひしひしと生えている...
伊藤野枝 「転機」
...君の話はひしひしとこたえたんだよ...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...彼の体にはもう縄がひしひしと喰いいってきた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...どうしたわけだか人間や馬にひしひしと取巻かれてしまっている小っちゃな無害の動物といった恰好である...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...ひしひしと夜寒が身に沁みた...
寺田寅彦 「異郷」
...如何ともすべからざる重苦しいものが私にひしひしと寄せてきた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...方向を示すべく運命づけられているのをひしひしと感ずるのである...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...ひしひしと身に迫るのを感じてみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひしひしと身に迫るのを覚えて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ひしひしと人の心に迫つてくる...
萩原朔太郎 「田端に居た頃」
...死地の陣ひしひしと...
吉川英治 「上杉謙信」
...廻廊の外や、縁の下には、ひしひしと、殺気をもった兵(つわもの)が隠れているようで、恐ろしくて杯も手に触れられません」と、小声で訴えた...
吉川英治 「三国志」
...ひしひしと詰めていたが...
吉川英治 「茶漬三略」
...大塚先生の講義はその熱烈な好学心をひしひしと我々の胸に感じさせ...
和辻哲郎 「岡倉先生の思い出」
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