...特にそのために鰻(うなぎ)の皮を手に入れることができればなおのことであった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...その翌日もなおのこと社へ行くのが厭(いや)になった...
相馬泰三 「六月」
...なおのこと痛がるねんわ」病人の肌理(きめ)の粗(あら)い額には...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それからちゅうもんもう邪魔なもんないようになったのんでなおのことひつこうに附き纏(まと)て...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...で今じゃ、なおのこと、やけになって頂くのですよ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「嫁入り支度」
...妻に対してはなおのこと何も出来ない...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...なおのこと彼女を狼狽(ろうばい)させた...
夏目漱石 「明暗」
...なおのこと変に窮屈な感じが起った...
夏目漱石 「門」
...一万両は首尾よく築地の蔵屋敷に送り込まれましたよ」「それならなおのことだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...酔っ払った人たちはなおのこと酔っ払って踊ります...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...なおのことわが願いをかなえてくれるよう...
室生犀星 「津の国人」
...それが判らぬためになおのこと...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...そっちが弱音(よわね)をふいたひにゃ、この久助なざ、なおのこと、ここらでお別れと願いたくなッちまう」「ばかをいえ」阿能十は、ここぞと強がった...
吉川英治 「大岡越前」
...そうあればお手前もなおのこと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...今し方ならなおのこと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ですから、どうぞ」「そう伺っては、なおのこと、私にはこの絵を頂戴する資格がございませぬ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...だが武蔵は、そのことには触れないで、「おかみさん、おまえの家は、この辺のお百姓か、それとも木樵(きこり)か」「わしの家かえ? わしの家は、この先の峠にある茶店だが」「峠茶屋か」「ヘエ」「ならば、なおのこと、都合がよい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いや夜が白みかけて、きのうからの豪雨のあとを見渡すと、なおのこと、伊織の帰りは絶望された...
吉川英治 「宮本武蔵」
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