...伝統を重んずる上からいってもなおかつ成立(なりた)ち得るのであるから...
高浜虚子 「俳句への道」
...同一の機械や薬品やフイルムを使ってもなおかつそうなのであるから...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...なおかつあなたの替え玉がモウソンの事務所で働いているのを知らせるような人物に会わせないこと...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...それがなおかつ存在しているとすれば何かもっと別の意義としてであって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...なおかつそれを不可抗力として諦めていなければならぬように...
中谷宇吉郎 「雪」
...なおかつ思想は高く俗界を超越(ちょうえつ)して...
新渡戸稲造 「自警録」
...そしてまた、この同一性を正当化するために、継続した存在によって前後の知覚を結合する傾向も与え、なおかつ、前後の知覚の中断した現れが必然的に含むであろう矛盾を、回避する傾向も与えるのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...窃盗博徒、なおかつ然り、いわんや字を知る文人学者においてをや...
福沢諭吉 「学者安心論」
...死んでお墓へ入ってのちもなおかつパサパサになった俺のお骨の中では...
正岡容 「寄席」
...名人圓朝が四銭取ってなおかつ八丁荒らしと驚嘆されたその時代である...
正岡容 「寄席」
...なおかつ硬化したその大根の上部をも切取って...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...なおかつ夜警の幾時間かを盗み...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わけて、皇后の兄、西園寺公衡(きんひら)などが、やッきとなって、亀山の御処分を、幕府へ迫ったので、亀山上皇もついに「……自分には全く関係のないことだ」と、弁解の御書(ごしょ)を執権貞時へ宛(あ)てて送り、なおかつ、四十一歳で御出家の身となってしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...――なおかつての...
吉川英治 「私本太平記」
...旧六波羅探題のあとに住んで、みずから称(とな)えてそこを、六波羅奉行となし、また、わが名による“御教書(みぎょうしょ)”を発して、はやくも独自な政治的手腕のはしを見せていたが、なおかつ、東国の空をのぞんでは、「さて、どうしているぞ? どうなることか?」と、早馬のひづめに、胸の明け暮れ、かきたてられていたことにちがいない...
吉川英治 「私本太平記」
...が、なおかつ、いまの師直の一言には尊氏もおもわず生唾(なまつば)をのんだらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...いま、そのあらゆる外郭(がいかく)陣営を破られても、なおかつ、――中国に毛利ありの厳然たる勢威を失わずにいるのは、実に、智勇双璧の両川が、その指揮にあればこそといっても過言ではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...四王院は、それに激励されて、「――あいや、おことばには候うが、十年二十年、この叡山(えいざん)に、苦行を積んでも、なおかつ、入壇はおろか、伝法のことすら受けぬものが、どれほどあるか」「それは、その人の天稟(てんぴん)がないか、あるいは、勉学が足らぬかの、ふたつでおざろう...
吉川英治 「親鸞」
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