...それもこれも、今にすっかりあきらかになります...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...それもこれも皆私達が至らないせいでしょうけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それもこれもみんな...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...――それもこれもみんな私の不行届から起った事だから...
夏目漱石 「虞美人草」
...それもこれも、親分の御骨折の御蔭、今晩はどうぞ御ゆつくり召し上つて下さい」本當に下にも置かぬ待遇(もてなし)でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「笹野様の御慈悲だ――それもこれも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...男つ振りを餌に女を漁るのは閻魔樣(えんまさま)の前に行けば同罪だよ」「あつしなどは極樂行の方で」「それもこれも親の恩だと思へ」二人は聲を合せてカラカラと笑ふのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おぬい 噂に聞けば半次郎兄さんは、下総の飯岡で、たいした親分とかを斬りに行き、多勢の人に傷をつけ、逃げ歩いていると云うけれども、それもこれも、お友達が悪いから...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...だが、まあ、それはそうとして、それもこれも、いや場合によってはそれ以上のことも、もちろん、許すことができるとして……実際、不合理というものはどこにもあり勝ちなことだから――だがそれにしても、よくよく考えて見ると、この事件全体には、実際、何かしらあるにはある...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...それもこれも皆(みんな)お前さんの立身するばッかりを楽(たのしみ)にして辛抱してお出でなさるんだヨ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それもこれもスミス氏がいなかったら出来なかっただろう」メイが優しく微笑んで言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...それもこれもすべて一族の体面を保つためでした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...わたくしが何でいといましょう――それもこれも...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...――要するにそれもこれも...
吉川英治 「私本太平記」
...つまるところ、それもこれも、この国が過去において、海道一の貧国であった賜物である...
吉川英治 「新書太閤記」
...愛宕山の連歌の会では、紹巴(しょうは)の次韻(じいん)をうけて、時は今天(あめ)が下知る五月哉(さつきかな)と、詠(よ)まれたそうで、後では皆が、すでにその時の会には、光秀様の胸の深淵に、恐ろしいぬしが叛逆の口を怒らせていたのじゃと、是々非々、噂し合ったが、それもこれも、及ばぬ後の事でしかない...
吉川英治 「茶漬三略」
...――それも憎まず、仏が即心即仏をすすめ、菩提(ぼだい)の眼をひらけよかしと、千万の経(きょう)をもって説かれているが、それもこれも、生きているうちのこと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それもこれも、上様より戴く高禄に安んじ、子に愚かなるこの父の許にいて、修行の精進を心に失うておる証拠でのうて何であろう...
吉川英治 「柳生月影抄」
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