...といえば八蔵はしたり顔にて...
泉鏡花 「活人形」
...助役のそのしたり顔な説明なんぞを...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...それこそ刻舟求剣のしたり顔なる穿鑿に近い...
太宰治 「お伽草紙」
...したり顔に腕組みなんかしている奴は...
太宰治 「鉄面皮」
...厭世(えんせい)だの自暴自棄だの或(ある)いは深い諦観(ていかん)だのとしたり顔して囁(ささや)いていたひともありましたが...
太宰治 「鉄面皮」
...と、森さんが、したり顔で、「ああ、それで解(わか)った...
田中英光 「オリンポスの果実」
...侍僕頭がしたり顔に...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...もう二十年も前にドイツの何某が試みて失敗したものだよ」といったようなことをしたり顔に云って他人の真面目なそうして実際はかなり有望な独創的研究をあたまからけなしつけるようないわゆる大家も決して珍しくはない...
寺田寅彦 「変った話」
...既成政党の今日の態度を観念的にバックしているものは、一部の、したり顔の、評論家などが何と云おうと、世論と国民の生活利益の観念となのだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...そしてしたり顔に言った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...実は二三日(にさんち)前行った時にもよく事情を話して来ました」としたり顔に述べ立てる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そんなわけですよ」八五郎は少ししたり顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お慈悲を願ってやるぜ」万七はすっかりしたり顔です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...幽霊は二本足のある人間に決まったようなものだ」ガラッ八も大分したり顔でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...道長のしたり顔を眺めながら歎息をもらした...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...かかることしたり顔(がお)にいい誇(ほこ)るも例の人の癖(くせ)なるべし...
森鴎外 「みちの記」
...そちにはもうひとりの男の子があるはずだ」「あ、いや」「ないというのか」「まこと、よそには本年十一と相なる不知哉丸(いさやまる)と申すのが、あるにはあるのでございますが」「それみい!」と、したり顔に...
吉川英治 「私本太平記」
...数丈(すうじょう)うえのてっぺんに、烏(からす)のようにとまった竹童、したり顔して、あたりの形勢(けいせい)をとくと見とどけてのち、ふたたび降(お)りてくると、こんどは、白旗(しらはた)の宮(みや)の拝殿にかくしておいた一たばの松明(たいまつ)をかつぎだしてきた...
吉川英治 「神州天馬侠」
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