...日のくれないうちに」おとよは金めっきの足に紅玉の玉をつけた釵(かんざし)をさし替え...
伊藤左千夫 「春の潮」
...簪(かんざし)で髪の中を掻(か)いているのである...
鈴木三重吉 「千鳥」
...老婆は彼(か)の釵(かんざし)を細君にやって...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「王成」
...簪(かんざし)など貰(もら)って帰った...
徳田秋声 「足迹」
...派手な花簪(はなかんざし)を挿(さ)し...
徳田秋声 「新世帯」
...その役者から貰った簪(かんざし)を挿(さ)して...
徳田秋声 「爛」
...草の上に平打(ひらうち)の銀簪(ぎんかんざし)一本落ちをり候は...
永井荷風 「榎物語」
...かんざしをあげたから...
新美南吉 「里の春、山の春」
...銀簪(ぎんかんざし)を深々と右の眼に突つ立てられて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...木綿の不断着のまま赤い簪(かんざし)を顫(ふる)わせて泣いているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...簪(かんざし)の花のやうな愛娘(まなむすめ)でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蝶々髷(まげ)にさした花簪(かんざし)で頭を掻(か)きながら...
長谷川時雨 「神田附木店」
...また釵(かんざし)の股(あし)をなした葉は何時(いつ)も離れず連れ添うて居り...
牧野富太郎 「植物記」
...(三月二十九日)『明星』所載落合氏の歌簪(かざし)もて深さはかりし少女子(おとめご)のたもとにつきぬ春のあわ雪簪(かんざし)にて雪のふかさをはかるときは畳算(たたみざん)と共に...
正岡子規 「墨汁一滴」
...その上に飛ぶ金銀の蝶々を花簪(かんざし)に使う針金で浮かしてヒラヒラと動くようにして帯の唐草模様を絵刳(えく)り込(こ)みにした...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...赤き小米桜に銀のビラビラを垂らしたる花簪(はなかんざし)が引っかけ在るを発見し...
夢野久作 「少女地獄」
...釵(かんざし)を持って...
吉川英治 「下頭橋由来」
...「何だ? ……それは」「釵(かんざし)」「畜生ッ」雨が――きゃあッ――という悲鳴を吹き攫(さら)ッた...
吉川英治 「無宿人国記」
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