...たとへば巻一の「姉(あね)の異見耳痛樫木枕(みみいたいかたぎまくら)」を見よ...
芥川龍之介 「案頭の書」
...志郎は淡白(きさく)な軍人気質(かたぎ)...
石川啄木 「鳥影」
...坪内逍遥の処女作『書生気質(しょせいかたぎ)』が発行されて文学士春廼舎朧(はるのやおぼろ)の名が俄(にわか)に隆々として高くなったのは...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...片桐石州(かたぎりせきしゅう)らは新たな配合を作ろうとして互いに相競った...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...もとは何かかたぎの商売でもやっていたんでしょうが...
高見順 「如何なる星の下に」
...お祭の景気とその喜びとを他所(よそ)から来る人にも頒(わか)ちたいというような下町気質(したまちかたぎ)を見せたのであろう...
永井荷風 「草紅葉」
...どうか一日も早く堅気(かたぎ)になりたいものと一生懸命に気をつけているのでありますが...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...長唄の趣味は一中(いっちゅう)清元(きよもと)などに含まれていない江戸気質(えどかたぎ)の他(た)の一面を現したものであろう...
永井荷風 「夏の町」
...親仁(おやじ)は昔気質(むかしかたぎ)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは老伯の昔気質(むかしかたぎ)から出た自ら閉門謹慎の意であったか...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...他の落語家の気質(かたぎ)が目に見えていやになった...
正岡容 「寄席」
...いや、昔かたぎの、正直いちずといいますか――宗定 ふーむ...
三好十郎 「その人を知らず」
...比良野氏は武士気質(かたぎ)の家であった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...近畿とその周囲の昔かたぎの家々で...
柳田国男 「こども風土記」
...どこかに元の浜島庄兵衛という武家気質(かたぎ)の失(う)せない日本左衛門の遣口(やりくち)を歯痒(はがゆ)がりました...
吉川英治 「江戸三国志」
...堅気(かたぎ)の中でもかちかちの吝嗇屋(しまりや)らしく聞えるが...
吉川英治 「魚紋」
...吉原気質(かたぎ)といったような一種の気だては失っていず...
吉川英治 「紅梅の客」
...当時のまだ開港場気質(かたぎ)を多分にもっていた海岸通りや仲通りの業界仲間では反対に「おもしろい人物だ」とか「豪快な人だ」とか...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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