...私は其時程先生のお慈悲を有難いと思つた事はなかつた...
石川啄木 「二筋の血」
...何しろ思ひがけない雨のやみに第一ご婦人です……氣味の惡さに爺もお慈悲を願つたでせうが...
泉鏡花 「遺稿」
...ノラ え? 何ですつて?クログスタット お慈悲でどうか...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...迅(とつ)くに離婚してゐた筈だが、ただ可哀さうだと思ひ/\して今までつづいたのア、云つて見りやア、おれのお慈悲だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...やっとお慈悲に窓からほうりだすに違いない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...どうぞお慈悲(じひ)に許して下さい...
豊島与志雄 「天狗の鼻」
...娘の敵と言ふならお上にもお慈悲がある...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...素直に申上げてお慈悲を願へ」「違ひます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お慈悲を願ってやるぞ」平次はズイと寄ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...するとかげろうは手を合せて「お慈悲(じひ)でございます...
宮沢賢治 「蜘蛛となめくじと狸」
...二度とふたたび観音様の縁がわにお慈悲を仰ぐ勇気もありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...今日は格別のお慈悲で打物を持たせてやるから...
吉川英治 「剣難女難」
...お慈悲と思うて」手を合せる一図(いちず)さで...
吉川英治 「私本太平記」
...せっかく右大臣家のお慈悲あるすすめも...
吉川英治 「新書太閤記」
...いいえ……どうぞお慈悲におかまい下さりますな...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そして、野盗の手下は、当然の労銀を求めるように、性善坊のふところから、路銀を奪い取って、「生命(いのち)だけは、お慈悲に、助けてやる」といった...
吉川英治 「親鸞」
...お慈悲に――お情けに助けて賜わりませ...
吉川英治 「源頼朝」
...お慈悲を」彼女は恐ろしい剣幕で呪いの文句を浴せかける...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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