...三言四言お愛想を言つて降りて行つた...
石川啄木 「天鵞絨」
...おとよさんはみんなにお愛想をいうて姉のいる方へ上がった...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...例によってお愛想に低く啼いて...
犬田卯 「荒蕪地」
...人のいい牧師は立ちどまつてお愛想(あいさう)をいつた...
薄田泣菫 「茶話」
...お愛想のような金をはらって...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...いずれももう五十幾つ六十幾つというお愛想のいい老夫人たちであり...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...かくて、女性がこれぞと思う作家に狙(ねら)いをつけて、これをサロンに手なずけておこうという段になると、彼女はお世辞、お愛想、お追従(ついしょう)の限りをつくして包囲攻撃を加える」……ふん、フランスじゃそうかも知れないけれど、このロシアじゃ、そんな目論見(もくろみ)もへったくれもありゃしない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...この楠先生もよくお愛想に出した葡萄酒の杯を銜(ふく)んだりして...
寺田寅彦 「追憶の医師達」
...さうしてませくれたお愛想をあびせかけておきまりの 年はいくつ だの...
中勘助 「銀の匙」
...「ほんとうに友さんの身体は小柄だけれどもよく締まっていること」お玉はお愛想を言って...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこには一応のお愛想もある...
中里介山 「大菩薩峠」
...精一杯お愛想をしましたよ」「用事は?――まさか八五郎を口説(くど)きに行つたわけぢやあるめえ」「お察しの通りで――近頃加島屋に妙なことがあるから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...心にもないお愛想を言った...
久生十蘭 「あなたも私も」
...待っていて少しお愛想するものよ」「ええ...
久生十蘭 「魔都」
...お愛想のようなことをいうと...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...またはおよそ礼儀正しい勤め人の間で普通にとりかわされている何かちょっとしたお愛想ひとつ言うでもなく...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...お愛想が言えない...
古川緑波 「富士屋ホテル」
...川奈ホテルの朝の食堂ではよくキャプテン・エチケットのお愛想をこぼしている大倉喜七郎翁の姿をお見かけするが...
吉川英治 「舌のすさび」
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