...なにかわたしに大したお情けでもかけるようなあんばいなのである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...裸体(はだか)にしないだけがお情けで...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうはおっしゃらぬけれど」「わたくしが殿様から前のようなお情けをいただきたいために...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうかお情けにはそのうちの上着の一枚だけをお返し下さいますまいか...
中里介山 「大菩薩峠」
...お上にもお情けはあるんですってね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...伊勢屋さんのお情けで少しばかり仕事を廻して貰ひ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長年のお情けをもって召し給い...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...お情けとは申せませんでしょう...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...ほんのお情け出演で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ただお一方のお情けでこの宮に三十幾年お世話になっております...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...――わたくしは貴方のお情けでこのとしつき安穏にくらして来ました...
山本周五郎 「新潮記」
...厚かましゅうはござるが武士のお情け...
吉川英治 「剣難女難」
...あわれ外道とも思(おぼ)せ、腰抜けとも思せ、犬畜生ともお蔑(さげす)み下されたく候さりながら、大月玄蕃だけは、かならず私の腕にて刺止(しと)め申す自信これ有り候ゆえ、お身ご不自由なる兄上様は郷里月巣庵にてご安養のほどひたすらねがい上げ奉り候また千浪殿も、拙者ごとき者は、世に亡き者と思い諦められ、ご帰国の上、他家へのご縁をお求めなさるべく、この二つだけは、外道(げどう)の奈落(ならく)より新九郎が本心の合掌、卑怯ながら涙願熱望つかまつり候新九郎御兄上千浪どの二伸、今生(こんじょう)の拝顔も怖らくは今日を限りと覚え候、お情けには、武士を捨てたる野良犬の後をお尋ね下さるまじく、さらばご息災を蔭に祈りて、無恥の酔言を書き捨てて茶屋よりこのまま消え去り申すべく候………………読み終った時、春日重蔵の顔色はまッ蒼...
吉川英治 「剣難女難」
...お情けな」「晴れの門立(かどだ)ちだ...
吉川英治 「私本太平記」
...徳川家に楯をついたお方――天草の余党はあの君のお情けで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...お情け免許をもらった晩でも...
吉川英治 「松のや露八」
...この下総国へ流されて来ましたが……常胤様のお情けによって...
吉川英治 「源頼朝」
...お慈悲に――お情けに助けて賜わりませ...
吉川英治 「源頼朝」
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