...使 お世辞ではありませんよ...
芥川龍之介 「二人小町」
...ちっともお世辞にならない...
高見順 「いやな感じ」
...あまりの歯の浮くような見え透いたお世辞ゆえ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...」お世辞では、なかった...
太宰治 「新樹の言葉」
...腕のように太いお世辞を言ったり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「あなたは、どちらからおいでになりましたの」「関の大谷風呂に暫く逗留しておりました」「お国はドチラですの」「東国の方ですがね、諸所方々をフラつきましたよ」「お目がお悪い御様子ですが」「はい、目がつぶれてしまいましてね、つまり天罰というやつなんですよ」「どうして、そういう目におあいになりましたの」「十津川の騒動の時にやられました」「ああ、あの天誅組(てんちゅうぐみ)の騒動に、あなたもお出になりましたか」「はい、十津川では天誅組の方へ加わりました、中山卿だの、それから松本奎堂(まつもとけいどう)、藤本鉄石なんていう方へ加わりました」「まあ、それは頼もしい、天朝方でございますね」「なあに、頼もしく入ったんじゃありませんよ、頼まれたもんですからツイね、つまり、人生意気に感ずというわけなんでしょう」「その前は、どちらに」「その前は壬生(みぶ)におりました」「まあ、壬生浪(みぶろう)……」「恐れるには当りませんよ、これもふとした縁でしてね、好んで新撰組に加わったわけじゃありません」「では、あなたはずいぶん、お手が利(き)いていらっしゃるのね」「剣術が少し出来るんでね、まあ、それで身を持崩したようなものです」「よくまあ、でも、その御不自由なお身体(からだ)でねえ」「こんな不自由な身で生きているというのが不思議なんです、いいや、不思議なんて、そんな洒落(しゃれ)たことではないです、恥さらしなんです、業さらしなんです、まあ普通の良心を持っている奴なら、とっくに、どうかしてるんですがね、こんな奴は、天がなかなか殺さないんです、つまり、なぶり殺しなんですね、あっさりと殺してしまうには、あんまり罪が深い」「そんなことはありませんよ、自暴(やけ)におなりになってはいけません、あなたなんぞは、お若いに、これからが花ですよ」「ふーん、これから花が咲くかなあ」「咲かなくって、あなた、どうするもんですか、わたしなんぞごらんなさい、ことし、幾つだと思召(おぼしめ)す」「左様、女の年というものは、若く言って叱られる、老(ふ)けて言うと恨まれる、当らんものだなア」「当ててごらんなさいよ、あなたはお目が見えないから、皺(しわ)がわからないので、それで有難いのよ」「ふん、当ててみましょうか」「当ててごらんなさいましよ、御遠慮なく、お世辞でなく、正直な判断を聞かせて頂戴」「ふーん、鬼頭天王のおばさんと、ほぼ同格かな、あれより少し若いかな」「鬼頭天王のおばさんというのは、どなた?」「うん、いや――拙者の伯母(おば)なんだが」「その伯母さん、お幾つ?」「そうさなあ、四十……」「それで、わたしは?」「それより、若いかなあ」「有難う」「何でお礼を言います」「有難う」「年を言って、お礼を言われるはずはないのだが」「言ってみましょうか、わたしの本当の年を」「おっしゃってみて下さい」「酉(とり)の五十三――七月生れよ」「ははあ、五十三」「いいお婆さんでしょう、四十幾つかに見られて嬉しい、ついでに、わたしの人柄を言ってごらん下さい」「人柄とは?」「どんな衣裳をつけて、そうして、何を商売にしていますか、それを当ててみてごらんなさい」「拙者は卜(うらない)を稽古して置かなかった...
中里介山 「大菩薩峠」
...『女将はお世辞もの』だとか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お世辞たっぷりの陥穽を張る...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...あけすけなお世辞や非難よりも...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...お世辞もあらうが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あなたほどの大物がこんな小物を」ステファノが肩をすくめ笑顔を作ったのには安っぽいお世辞の臭いがあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...「お世辞がうまいでせう...
牧野信一 「或る日の運動」
...それに類するお世辞見たいなことを屡々彼等から聞かされて僕は却つて得意さうな顔を保つてゐたものゝ...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...あんな事をして着物や人のお辞儀とお世辞のために生きて居る様な女に仕て仕舞うのだから...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...お世辞を言い合っている程なら...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...お世辞を言うようになったのね...
森本薫 「華々しき一族」
...お世辞を言うのが大の嫌いであった...
山本実彦 「十五年」
...よいほどにお世辞をお言い……」袂(たもと)でフワリと打(ぶ)った時...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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