...うら悲しい灰色の姿を浮せていた...
石川欣一 「可愛い山」
...――進歩はしないがわたしの感ずるほどうら悲しいものでもなかろう...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...金魚の色はいつ思ひ出してもうら悲しい...
鈴木三重吉 「金魚」
...あのうら悲しい鈴が鳴る...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...満山の蝉しぐれがうら悲しい蜩(ひぐらし)の声に代り...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...うら悲しい感触(かんしょく)の一息吹(ひといぶ)きをもって...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...同じようにはかないうら悲しい心持ちに...
寺田寅彦 「春寒」
...眠いようなうら悲しいようなやるせのないような...
寺田寅彦 「物売りの声」
...うら悲しいのだ...
豊島与志雄 「春盲」
...しょっつるのあの少しえがらっぽいようなうら悲しい味は...
中谷宇吉郎 「塩の風趣」
...特殊のうら悲しい情緒を感じ...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...食堂で、うら悲しい食事...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...部屋の中ではかなくうら悲しい日が続く...
北條民雄 「童貞記」
...自然と人に逢えぬと言ううら悲しい心持ちに変わって行くのを覚えた...
水野葉舟 「香油」
...うら悲しい氣持で思ひ浮べる...
三好達治 「一點鐘」
...けれどもただそれを眺めてゐる私の氣持は理由もなくうら悲しい...
三好達治 「霾」
...男のような言葉つきの中にあるうら悲しいようなひびきなど...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...そして何となくうら悲しい様に静かな心になりながら握り飯を貪り喰った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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