...もういっぱしの歌唱いになっていました...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...孰(いず)れもいっぱしの晩酌(ばんしゃく)党であるところから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いっぱしの師匠のように叱言(こごと)を云うのが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...今やいっぱしの財政家だ……黄玉は真ん中へ...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...自分の能力を計らないで六かしい学問に志していっぱしの騎士になったつもりで武者修行に出かけて...
寺田寅彦 「雑記帳より(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...いっぱしの知恵を出して妥協を試みようとしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...いっぱしの面をしていることが...
中里介山 「大菩薩峠」
...いっぱしの科学者気取りで...
中里介山 「大菩薩峠」
...いっぱしの若鳥となって...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...夢中ですから」八五郎はいっぱし手柄のつもりで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...寛子にしても自分の御亭主をいっぱし浮気者に考えているだけ...
林芙美子 「泣虫小僧」
...ハーコートはいっぱしの悪党だという...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...それで口だけいっぱしじゃあ世間さまに済まないよ」「ところが御時勢の激しいおかげで...
山本周五郎 「新潮記」
...自分もいっぱし聴いて貰うつもりだろう...
山本周五郎 「日本婦道記」
...いっぱしな顔つきでつんとすましていた...
山本周五郎 「ひとでなし」
...自分ではいっぱしのやくざ気取りでいた...
山本周五郎 「夕靄の中」
...あははは」「しかし、法律というものも不便ですな」と、理平が、署長の吸いかけている巻煙草へ燐寸(マッチ)を摺(す)ってやりながら横口を入れた――「こんなチビでも、いっぱし、大人以上の悪事を働いて社会を害するのに、十四歳では、それを懲役にすることができないのですか」「まあ、こんなひどい不良は、八丈島の感化院へやるわけですがな...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...いっぱしの武芸者となった気でいる...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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