...そんな、気取った言いかたをなさらず、いっそ、こう言ったらどうですか...
太宰治 「新ハムレット」
...「いっそのこと死んでおしまい!」と後家さんがカーチャに飛びかかって行くのが聞える...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「天才」
...それが事件の直前にちょうどこの百貨店で火災時の消防予行演習が行なわれていたためもあっていっそうの効力を発揮したようであるが...
寺田寅彦 「火事教育」
...いっそう白くて光ってきれいでした...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...――クリストフがいるためにいっそう当惑をきたした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...マルタンヴィル氏はヴォルテールよりもいっそうの機才を持っていたのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...多忙な私はいっそ満尾して後それをやろうかとも思っている...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...いっそう重いものになりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その望ましくない夢の印象をいっそう深くして...
林不忘 「あの顔」
...いっそ、ミシンのペタルでも押して内職した方が楽しみかも知れないのだけれど……...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「いっそ派出婦の方を止して...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...いっそのこと、何も食べさせないで、餓死させるか、それとも、毒矢で殺してしまう方がよかろう、と言うものもありました...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...いっそ表戸をしめてしまって...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いっそう心は重くなるのでした...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...「では時々陛下を拝んでおればいっそう長生きをする私になりますね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いっそう亡(な)き夫人を恋しく思召(おぼしめ)すことばかりがつのって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おっ母さんのような人はいっそう赦(ゆる)すことができない...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...いっそう陰惨な殺気さえおびている――一種異様な吠え方である...
吉川英治 「親鸞」
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