「白いダイヤ」とは何でしょうか?
江戸の頃から今に続く日本食といえば「すし、天ぷら、ウナギ」です。「白いダイヤ」はこのどれかに関係しています。さてどででしょうか。
「白いダイヤ」とは?
うなぎの稚魚「シラスウナギ」のこと
「白いダイヤ」と呼ばれる理由:
食用の鰻は100%天然由来です。そのため養殖に欠かせない天然の稚魚「シラスウナギ」の取引はとても高値となるため。
「新仔」とは?
読み方:しんこ
意味:養殖のうなぎの中で、1年経たない若いウナギのこと。
いわば、うなぎの新物で初夏に出回ります。
養殖の場合、1年未満で出荷サイズに成長するウナギですが、
その中でも一際(ひときわ)成長が早いうなぎが「新仔」と呼ばれます。
ちなみに天然のうなぎの場合、ゆっくりと成長するため、成体になるのには3~5年かかるといわれます。
土用の丑の日、新仔鰻をいただいてみたいですね。
「鯨」といえば、「くじら」と読みますが、実はクジラではない?
「鯨鯢」(げいげい)という言葉があります。
読み方:げいげい
意味:クジラ、大魚、弱いものをひと呑みするような大悪人の例え。
由来:「鯨鯢」の「鯨」を雄クジラ、「鯢」を雌クジラのことをいいます。
つまり、「鯨」は「くじら」と読みますが、雄クジラのことを指すということです。
また「鯢」は雌くじらを指していますが、読み方は「げい、さんしょううお」です。
雌クジラとサンショウウヲが同じ漢字というのも不思議ですね。
アユといえば、「鮎」が先ず浮かぶでしょうか。
名前の由来は諸説ありますが、産卵のために川を下る「あゆる」(落ちるの意)からと言われています。他に、神前に供える食物であるというところから「饗(あえ)」に由来するとも言われています。
そしてアユには異名が数多くあります。今回はその異名についてご紹介します。
「鮎」
読み方:あゆ
由来:神功皇后がこの魚を釣って征韓の勝敗を占ったことから
ちなみに中国では「鮎」はナマズの意味です。
「香魚」
読み方:あゆ、こうぎょ
由来:独特の香気をもつことに由来
「年魚」
読み方:あゆ、ねんぎょ
由来:一年で一生を終えるため
ちなみに、鮭(しゃけ)も一生が一年で終わるため年魚といわれます。
「銀口魚」
読み方:ぎんこうぎょ
由来:泳いでいると口が銀色に光るため
「渓鰮」
読み方:けいうん
由来:渓流の鰮(いわし)の意味から
「細鱗魚」
読み方:さいりんぎょ
由来:鱗が小さいため
うろこを取らずとも食せますね。
「国栖魚」
読み方:くずうお
由来:奈良県に住んでいた国栖という人々が、吉野川のアユを朝廷に献上したことから
「鰷魚」
読み方:はや、やなぎばえ
由来:江戸時代の書物の「ハエ」の誤記など
本当にたくさんの異名を持った魚ですが、一般的に6月が鮎釣りの解禁です。鮎を見かけたら、これらの異名も思い出してみてください。
では、ほかにも異名をもつ魚「翻車魚・浮木・曼波魚」は何の魚?
海や魚のつく名前はたくさんありますが、
「翻車魚・浮木・曼波魚」から何を想像しますか?
今回はこの二つについてご紹介します。
「翻車魚」
読み方:マンボウ
別名:「浮木(うきぎ)」
ちなみに漢字文化圏では「曼波魚」とも表記されます。
由来:諸説ありますが、体が丸いため「円坊鮫(まんばうざめ)」からきているという説。方形(四角形)という意味の「満方」かからきているという説など。
「浮木(うきぎ)」の由来:水面に体を横にして浮かぶ様子(体についた寄生虫を太陽にあてて滅菌するためともいわれる行動)から。
マンボウは泳ぎはあまり上手ではなく、皮膚が弱いデリケートなお魚で飼育も大変だとか。そのため角をなくすなど工夫されたマンボウ専用の水槽で飼育されています。
水族館でマンボウを見る機会があったら、漢字も思い出してみるとまた違う姿に見えるかもしれませんね。
ちなみにマンボウは食用としても美味らしいですが、鮮度がすぐ落ちるためなかなか流通しないお魚だそうです。