「灰燼に帰す」という慣用句があります。
どういう場面で使うのでしょうか。
読み方、意味、類語と英語表現をご紹介します。
「灰燼」とは
読み方:かいじん
意味:焼けつきた灰、燃え殻、焼けて跡形もないこと
「帰す」とは
読み方:きす
意味:元の状態へ戻る、最後に行きつくところ
「灰燼に帰す」とは
意味:燃えて完全に跡形もなくなった状態のこと
使い方・例文:「町は爆撃で灰燼に帰した」
英語では「be reduced to ashes」
「追及」「追求」「追究」はどれも「ついきゅう」と読みますが、その意味と使い方は違います。それぞれの類語と合わせてご紹介します。
「追及」とは
意味:相手を追い詰め攻め立てる
類語:詰問、尋問、吟味
使い方・例文:「余罪を追及する」「責任の所在を追及する」
「追求」とは
意味:目的を達成するために追い求める
類義語:探し求める、突き詰めるなど
使い方・例文:「軽さを追求し作られたシューズ」「利益を追求する」
ポジティブなものを追い求める場合に使われることが多いです。
「追究」とは
意味:不明なものを調べ明らかにすること
類語:研究、研鑽、究明
使い方・例文:「美の追求」「学問を追究する」
ちなみに「追窮」は「追究」と同じです。
一段落とは
読み方:いちだんらく
意味:一つの段落、ひとくぎり。
ものごとがひとくぎりしてかたづくということ。
類義語:区切る、落ち着く、節目など
「ひとだんらく」と読むのは間違いなのですが
「ひとだんらく」と言っている場面も多くあります。
それはなぜでしょう?
「一仕事(ひとしごと)」
「一芝居(ひとしばい)」
「一安心(ひとあんしん)」
「一工夫(ひとくふう)」など
「一」を「ひと」と読む言葉が多いこと、
類義語の「区切り」に「一」をつけ「一区切り(ひとくぎり)」と読むことも関係があるとみられています。
また、話し言葉では「ひとだんらく」ということが、必ずしも間違いではないというふうに変わってきているようです。
あまり日常で使うことが少ない言葉「奏功」。その意味と、類義語との違いをご紹介いたします。
奏功(そうこう)とは「功を奏す」と同じ意味の熟語です。
もともと「奏」は「奏上(そうじょう):天皇に申し上げる」、「成し遂げる」という意味をもっています。
そして「功」は「手柄」、「功績」の意味なので、
「天皇に功績を報告する」という意味になり、そこから転じて、「目標どおりに成し遂げること」という意味で使われるようになりました。
奏効(そうこう)とは、「効き目があらわれること」という意味で、医学、医療の場面で使われる言葉です。
「効」は「効き目、効果」とうい意味をもっているためです。
成功(せいこう)とは、「功を成す」という意味で、
「うまくいく」という意味で使われます。
*奏功と成功の違い*
奏功は「目標のための作戦、手段がうまくいき、成果がでること」で、
成功は「全体的にうまくいくこと」です。
成就(じょうじゅ)とは、「願いが叶うこと」という意味です。
*奏功と成就の違い*
奏功は「功績、結果が出る」という場面で使いますが、
成就は「願い、望みが叶う」といった場面で使います。
「忖度(そんたく)」という言葉、2017年の流行語大賞にもなりましたが、その意味と使い方は?ときかれると、即答できないことも。今回は「忖度」の意味と使い方を、簡単に確認したいと思います。
「忖度」とは
「相手の気持ちを推し量ること」であり、相手に対する思いやりを表す言葉です。
相手の求めているものは何か、どう思っているのかを察し、予測する、日本の文化ともいえる言葉です。
しかし最近は、目上の人の気持ちを推測し、配慮するという意味で使われることが多くなり、
「言われたわけではないが、上司がきっと望んでいるであろうことをする」というイメージをもっている人も多いと思います。
「忖度」の使い方例文
本来「忖度」は文章で使われ、口頭では使うことがあまりない言葉ですが、ビジネスや日常生活の場面で使うとしたら・・・
・お客様の気持ちを忖度し、新しい提案をする。
・親の思いを忖度し、帰宅時間を早めた。
・私は和食より洋食が好みだが、友人の好みを忖度し、ランチは和食にした。
・彼の気持ちは忖度しかねる
「忖度」の類義語
少しニュアンスが変わりますが、置き換えできる語をいくつかご紹介します。
推測(すいそく):今ある情報をもとに推量すること。
憶測(おくそく):自分で勝手に推測すること。
推察(すいさつ):他人の心中を想像し理解すること。
推考(すいこう):物事の道理や事情などを推測して考えること。
斟酌(しんしゃく):相手の事情や心情をくみとること。
顧慮(こりょ):気を使いあれこれ考え心をくばること。
慮る(おもんぱかる):じっくり考え、思いめぐらすこと。
「忖度」の反対語
惻隠の情(そくいんのじょう):他人に同情する、かわいそう、不憫(ふびん)など哀れにおもう気持ちのこと。
「惻隠」とは、相手を自分の下とみて思う言葉で、
「忖度」は、相手を上にみて、推し量る言葉ということですね。
ちなみに「慮る」は、「おもんぱかる」と読みますが、「おもひ(い)はかる」が転じた言い方です。「おもんばかる」ともいいます。