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「数え年」と「満年齢」の違いと意味

現在は「満年齢」が使われていますが、
古くから日本では「数え年」が使われていました。
その違いは何でしょうか?

まず「満年齢」とは
生まれた日を0歳、次の誕生日を迎えると1歳、
誕生日を迎える度に年齢が1歳増えていきます。
(正確には誕生日前日に年を重ねることになります)

では「数え年」とは
生まれた日を1歳、正月(1月1日)を迎えると2歳
正月を迎える度に年齢が1歳増えます。

例:2019年3月3日生まれの場合、生まれた時点で1歳
2020年1月1日に2歳と数えます。

なぜ正月に年を取るのか?
理由は様々あるようですが、
家族内で多数の子どもや、公的制度などで年齢を個人ごと細かく扱うのは煩雑だったため、処理を手軽にするため。
お正月は「年神様」を迎え、年神様から頂けるものが「お年玉」であり、「玉」は「たましい、神様のエネルギー」のことで、力を得るという考えから、など。

ちなみに、「数え年」は日本、中国、朝鮮半島、ベトナムの東アジア諸国で古くから使われていました。そして多くの国で「満年齢」に切り替わり、今現在「数え年」が一般的に使われるのは韓国だけだとか。

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使い分け

年の瀬押し迫る「年の瀬」はいつ?由来と語源と意味

12月に入ると「年の瀬」という言葉をよく耳にしますが
一体いつからが「年の瀬」なのでしょうか?

答えは、正確には決まりはないのですが、
一般的にだいたい12月中旬から12月末までのことをいいます。

「年の瀬」の類義語:
年末歳末年の暮れ

「年の瀬」の由来、語源:
年の瀬の「瀬」は、とても流れが速く渡ることが困難である「川の瀬」の「瀬」を意味しています。
かつて江戸時代には「ツケ」で商品を買い、盆や暮れに支払うことが多かったようです。
そのため年末にお金を工面しなければならず、ただでさえ物入りな年末は苦労していたとか。
その様子を川の瀬に例えて「年の瀬」といったそうです。

ちなみに「年の瀬押し迫る」は
「年末の最後の数日が間近に迫ってくる」という意味です。

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食べ物

いつからいつまで?鏡餅の意味・由来と飾り方

鏡餅の意味とは?

鏡餅はなぜお正月に飾るのでしょうか?
お餅は昔から、ハレの日に神様へ捧げる神聖な食べ物と言われています。新年を迎える年神様へのお供え物であり、拠り所なのです。

鏡餅の飾り方とは
○お餅の上に飾っているのが、みかんではなく
(だいだい)」
橙は、一本の木に何代もの実がなり、果実が熟しても落ちにくいことから、長寿子孫繁栄を表しています。
○お餅にひらひらと付く紙は
御幣(ごべい)」
赤は魔よけ。繁栄を願います。
○お餅の下に敷く四角の紙は
四方紅(しほうべに)」
災いを払い繁栄を願います。
○お餅の下に敷く緑の葉は
裏白(うらじろ)」
シダの一種で、表は緑、裏が白の葉です。
葉のもようが対になっているため夫婦仲睦まじく白髪になるまで長寿を願います。

そのほかに、串柿(干し柿)や昆布、するめなど飾るところもあります。

鏡餅を飾るのはいつからいつまで?

29日は苦餅(苦持ち)、31日は一夜飾りとなるため避けます。
28日や30日に飾るのが一般的です。
そして1月11日の鏡開きに下げ、おしるこや雑煮など料理していただきます。
ちなみに昔は鏡餅は刃物では切らず、手や木鎚で食べやすい大きさに分けました。
これは刃物で切ることが切腹を連想させるからで、「切る」「割る」という言葉も避けられ「鏡開き」の「鏡」は「円満」、「開く」は「末広がり」を意味します。

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名字(苗字)

一寸(ちょっと)説明「寸法」の由来

一寸」とは
読み方:ちょっと、いっすん
意味:時間、量、程度などがわずかなこと。
尺貫法の長さの単位

「一寸」ってどれくらい?
1寸=約3cm
10寸=1尺に当たります

「寸」の由来、語源
親指の幅をさしていたと考えられています。
親指の幅くらい小さいという意味なんですね

ちなみに昔話の「一寸法師」は
約3センチという本当に小さい法師ですね

現在、単位として「寸」は使う場面はなかなかないですが
寸法」「寸劇」「寸暇」など、わずかなことという意味の言葉として使われています。
また「一寸木」という珍しい名前もあり、「寸」の由来が関係しています。珍しい名字の記事→こちら

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使い分け

「利益」と「御利益」の読み方と意味・違い

利益」と「御利益」は何と読むでしょうか?

利益」とは

読み方:「りえき」
意味:利得、儲け、役に立つこと

御利益」とは

読み方:「ごりやく」
意味:神仏から与えられる恵み、幸運

「御利益」を「ごりえき」とは読みません。
「利益」は、「りえき」以外に「りやく」とも読みます。
「りやく」と読む場合は、「御利益」と同様に、
宗教的や世俗的な恩恵や幸福のことを意味します。

「利益」は自分のために得るもの、「御利益」は神様から与えられる恩恵。同じ漢字でも意味が全く違って面白いですね。

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「一段落」は「ひとだんらく」?「いちだんらく」?意味と類語

一段落とは

読み方:いちだんらく
意味:一つの段落、ひとくぎり。
ものごとがひとくぎりしてかたづくということ。
類義語:区切る、落ち着く、節目など

「ひとだんらく」と読むのは間違いなのですが
「ひとだんらく」と言っている場面も多くあります。
それはなぜでしょう?
「一仕事(ひとしごと)」
「一芝居(ひとしばい)」
「一安心(ひとあんしん)」
「一工夫(ひとくふう)」など
「一」を「ひと」と読む言葉が多いこと、
類義語の「区切り」に「一」をつけ「一区切り(ひとくぎり)」と読むことも関係があるとみられています。
また、話し言葉では「ひとだんらく」ということが、必ずしも間違いではないというふうに変わってきているようです。

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「1月1日」「元日」「元旦」「正月」「三が日」「松の内」の違いと年賀状

元日と元旦の違いは?

「元日」とは、1月1日のことをいいます。

「元旦」とは、1月1日の朝(午前中)のことをいいます。
「旦」は「日」と「一」を合わせた漢字で、
「一」は地平線を表し、地平線から太陽が出る様子を表しています。
元旦は「元日の朝(午前中)」を指しますので、
「元旦の朝」「元旦の夜」という使い方は重複表現となり、間違いです。

年賀状に日付を書く場合、元日と元旦どっち?

1月1日に届くように出す場合は
「元日」「元旦」どちらもマナーにかなっています。
年号と合わせて書く場合は、
「○○年1月1日」
「○○年元旦」
「○○年元日」です。

注意:「○○年1月元旦」は重複表現なので間違いです。

そして「正月」とは、本来1月のことをいいます。
ただし一般的には正月を祝う期間、
三が日(元日から3日間)と、松の内(元日から7日)を指します。
「松の内」は、正月飾りのある内という意味で、昔は15日までとされていましたが、現在は7日までが一般的となっています。しかし、地域によって違いもあるようです。

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自然

2019年12月22日「冬至」南瓜(かぼちゃ)と柚子湯(ゆずゆ)の由来

2019年12月22日は冬至(とうじ)です。
冬至には、カボチャを食べて、ゆず湯に入る風習がありますが、それはなぜでしょう?
その由来をご紹介いたします。

まず、冬至とは
夏至と反対に1年でもっとも夜が長い日。
「日短きこと至る(きわまる)」という意味で、
中国では、この日から新年の始まる日とされます。
陰の気が極まり再び陽にかえる意の「一陽来復(いちようらいふく)」といい、
冬至を境に運が向いてくるとされます。

ではなぜ冬至に南瓜(かぼちゃ)を食べるのか?
冬至には「ん」のつくものを食べると「運」がつくという言い伝えから。
特に次の7種類を「ん」のつく「冬至の七種(ななくさ)」と呼びます。
南瓜(なんきん)
人参(にんじん)
蓮根(れんこん)
銀杏(ぎんなん)
金柑(きんかん)
寒天(かんてん)
うんどん(うどん)

ゆず湯に入るのはなぜ?
柚子(ゆず)は、「融通」がきく
冬至は、「湯治」のごろ合わせから。
一陽来復のために身を清めるという考えからも、
禊(みそぎ)の儀式として邪気を払うため、
香りの強い柚子湯に入ると考えられています。

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しんしょう?しんぽ?「進捗」の読み方、意味、使い方

進捗とは、
読み方:しんちょく
意味:物事がはかどること

「前に進む(すすむ)」と「ものごとが捗る(はかどる)」という漢字の組み合わせです。
進捗の「捗」を、「」や「交渉」の「」と誤用し、
「しんぽ」や「しんしょう」と読み間違えやすいので注意しましょう。

使い方、例文:
仕事の進捗を報告します。
工事の進捗が遅れています。
進捗状況を教えてください。
進捗率は80%です。

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食べ物

年越し蕎麦(そば)の由来、起源は?

大晦日に年越し蕎麦を食べる家庭は多いと思います。
この年越し蕎麦、なぜ大晦日に食べるようになったのか?
その由来、起源をご紹介いたします。

その由来は諸説あるのですが
先ず、蕎麦は細く長いことから、「延命や長寿を願った」とする説。

次に、金銀細工師がそば粉を団子にし、金粉銀粉を集めていたことから「金を集める縁起物」とする説。

さらに、蕎麦が切れやすいことから、「一年の苦労や災いを切り捨て翌年に持ち越さないよう願った」とする説。

他に、蕎麦は風雨にさらされても、日光を浴びると再び元気になります。そこから「無病息災を願う」とする説など。

その起源は、鎌倉時代、博多の承天寺で、年の瀬を越せない人にそば餅をふるまったところ、翌年から食べた人たちの運気が上がったため大晦日に蕎麦を食べるようになったとも言われています。

また江戸時代には月の末日に蕎麦を食べる習慣があり、三十日蕎麦(みそかそば)と言い、これが大晦日だけに残って年越し蕎麦になったとも言われています。

ちなみに、薬味のネギは、いたわる、なぎらうという意味の「労ぐ(ねぐ)」、神社に奉職する神職の「祢宜(ねぎ)」にかけたものだとか。