最近、イタリア南部のポンペイで行われた新たな発掘調査により、紀元79年のヴェスヴィオ火山の噴火により埋もれた古代ローマ都市から、息をのむような新しい壁画が発見されました。
これらの壁画は、神話的なギリシャの人物像が描かれたもので、特にトロイア戦争を引き起こすことになるパリスによるヘレンの誘拐が描かれており、大きな宴会用のホールの黒い壁に登場します。この部屋のほぼ完全なモザイクの床は、白いタイル100万以上で構成されています。
考古学者たちによると、この発見はこれまでに発見された中でも最も優れたフレスコ画の一つで、ポンペイがローマ帝国の人々と文化に関する世界最高の窓口であることを強調しています。古代都市の約三分の一がまだ火山の破片で覆われており、この世代で最大の発掘作業が続いています。
ポンペイとは
ポンペイは紀元79年にヴェスヴィオス火山の噴火で突然埋まり、その後遺跡として発見された古代都市です。この都市の発掘は、考古学の分野における最も重要な発見の一つとされ、古代ローマの生活を知る上で貴重な資料を提供しています。
フレスコ画とは
フレスコ画は、まだ湿っている生石膏に水溶性の顔料で描かれる壁画の技法です。この方法では、絵の具が壁に化学的に結合し、非常に耐久性があります。特にイタリア・ルネサンス時代に盛んでした。
日本にも古墳時代や平安時代の遺跡など、多くの歴史的発掘がなされていますが、ポンペイのように一瞬で遺跡が作られ、長年にわたって保護されてきた例は稀です。日本の遺跡の多くは、長い時間をかけて埋もれ、または消失していきました。この点で、ポンペイの発掘は、遺跡の保存方法や考古学技術の観点から日本にも学びがあるかもしれません。
また、日本の壁画や芸術作品は、主に自然、動物、または宗教的なシーンを描いており、ポンペイの発掘から明らかになるような人間のドラマを描いたものは少ないです。
古代ローマの文化や社会構造を垣間見るこの発掘は、今日の私たちが直面する社会問題や文化の多様性に対する理解に役立つかもしれません。例えば、古代でも現代でも、社会のエリートと労働階級の差別、政治的権力の行使など、様々な問題が共通しています。
過去の文明、特にそのアートと文化が現代にも大きな影響を与え続けています。また、新たな発掘が行われることで、これまで知られていなかった過去の側面が明らかになり、これが我々の過去の理解を深めることにつながります。次世代に向けてこれらの貴重な遺産をどのように保護し、伝えていくべきか、ということも重要です。
ちなみに古代の技術と芸術に対する繊細な理解と敬意を感じさせる表現をご紹介します。
「In the shimmering light, the paintings would have almost come to life」(壁画を照らすランプの光が、まるで絵画が生き返ったかのように見えたでしょう)