...なにか頼りなげな可憐(かれん)な風がありました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...あはれ頼りなげなる姿...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...われ亡き後わが友どち願くは一もとの柳を植ゑよおくつきにあはれ頼りなげなる姿...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...しかしいかにも頼りなげな声だ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...頼りなげな午後の日差しが靜かに林の中に落ちてゐる...
「修道院の秋」
...この善良な六十二歳の製麺業者はかつては四十歳にもなっていないように見え、太って脂ぎった金持ちで、野獣のように元気で、その陽気な物腰は通りすがりの人まで楽しい気分にさせ、その微笑には何ともいえぬ若々しさを感じさせたものだが、それが今では七十歳くらいのぼんやりした、頼りなげな、青白い男になってしまった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その頼りなげな二枚の紙には人生の停止あるいは彼の希望の消滅が含まれているかもしれなかった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...陸奥の白石川の洲に立ちて頼りなげなる一むら芒青根から降り来て白石川の川添ひに暫く車を走らせた時見た川の洲の芒である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...」と頼りなげな聲だ...
三島霜川 「昔の女」
...同じい頼りなげな光を見せているのに...
室生犀星 「みずうみ」
...哀れに頼りなげなものはない...
山本周五郎 「青べか物語」
...頼りなげな姿である...
山本周五郎 「さぶ」
...「はア」と頼りなげな声を洩したのみだった...
横光利一 「旅愁」
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