...しばらく考えてからさびしそうに見るともなく部屋の中を見回して...
有島武郎 「或る女」
...山の端(は)に月の出汐(いでしお)見るともなく...
泉鏡花 「活人形」
...見るともなくその観音開きの扉を眺めていたが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...見るともなく見入つて立つてゐると...
鈴木三重吉 「桑の実」
...唯(ただ)或時私は見るともなく窓外に目をやると...
高浜虚子 「丸の内」
...今しも兩國へ兩國へとくりだす花火船を見るともなく眺めてゐた...
竹久夢二 「砂がき」
...見るともなく運転手と並べて掲げてある首部の名札を見たものだ...
辰野九紫 「青バスの女」
...見るともなく見ていた...
壺井栄 「二十四の瞳」
...然し何を見るともなく...
豊島与志雄 「古木」
...通行人を見るともなく眺めながら...
豊島与志雄 「旅だち」
...見るともなく見守っていた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...喰べながらヴェランダの下を見るともなく見ていると...
中島敦 「光と風と夢」
...見るともなく見詰めていた...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...私はまるで一枚の紙片のように白く浮いている女の素足を見るともなく見ているうちに...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...かれはそれを見るともなく眺めているうち...
室生犀星 「幻影の都市」
...見るともなく肖像画に見入っていたが...
室生犀星 「三階の家」
...私は見るともなく二人の行為を鍵穴から覗いてしまったのだ...
山川方夫 「愛のごとく」
...見るともなく見れば...
若山牧水 「比叡山」
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