...見え坊な女達のために經驗して來た馬鹿な眞似を悔いなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...見え坊な」女達に對する崇拜である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...貧に迫つて泥棒をする者は見え坊だらうか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...このごろではいくらか見え坊になっていた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...或は又物知りぶりや見え坊の先生等が...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...それは僕の見え坊から出る強がりからだ...
大杉栄 「獄中記」
...時とするとこの見え坊が僕自身の全部であるかのような気もする...
大杉栄 「獄中記」
...見え坊な芸術家のなかには...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...見え坊3・19先日(こなひだ)米国のある地方で政治的の集まりがあつた...
薄田泣菫 「茶話」
...巻煙草の吸ひ殻5・20(夕)青楼(ちやや)へ遊びにゆく客といふものは、大抵見え坊で、内証(ないしよう)はぴいぴいでも、懐中(ふところ)には山を購(か)ひ、邸(やしき)を購ひ、馬を購ひ、郵便切手を購ひ、お剰(つり)で若い妓(をんな)の微笑(わらひ)を購ふ位の財貨(かね)は、いつも持合はせてゐるらしい顔つきをしてゐるものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...私は見え坊であつたから...
太宰治 「思ひ出」
...そう云う人が春琴の技に及ばないと云う噂を立てられては盲人であるだけに根強い意趣を含んだでもあろうし何とかして彼女の技術と評判とを葬(ほうむ)り去る陰険な手段をも考えたであろうよく芸の上の嫉妬から水銀を飲ましたと云う例を聞くが春琴の場合は声楽と器楽と両方であったから彼女の見え坊と器量自慢とに附け込み再び公衆の面前へ出られぬように相を変えさせたと云うのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...自分が見え坊だつたことに気付いて...
種田山頭火 「行乞記」
...この子の見え坊なことであつた...
徳田秋声 「チビの魂」
...」見え坊の木山が...
徳田秋声 「のらもの」
...木山の見え坊も可笑(をか)しかつたが...
徳田秋声 「のらもの」
...見え坊から出た咎だ...
ボードレール 富永太郎訳 「午前一時に」
...いかな見え坊の細君もここに至って翻然(ほんぜん)節を折って...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
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