...どうしたはずみか轅(ながえ)から脱けて...
梅崎春生 「庭の眺め」
...どこにも脱けだすすき間は見つからなかった...
海野十三 「海底都市」
...ローマからひそかに国境を脱け出て...
大杉栄 「日本脱出記」
...その陣痛は人間の脱け殻をその墓場から立ちあがらせるであろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...頭髪(かみ)も何も脱けてしまって...
近松秋江 「雪の日」
...彼は一時間早く学校を脱け出し...
豊島与志雄 「同胞」
...風儀の悪い旗本神尾の邸を脱け出す相談がきまってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この人の伴となって江戸へ脱け出そうとするものらしくあります...
中里介山 「大菩薩峠」
...面白そうにながめて思わせ振りな笑顔を見せた――こうして置くと夜中に脱け出しても八五郎は気が廻らない」「ヘッ」八五郎は照れ隠しらしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...三日に一度は脱け出して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...曲者はあの離屋から脱け出したに違ひないから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私の石板が謀叛氣(むほんぎ)を出してうつかり手から滑(すべ)り脱けなかつたら...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...鬼のやうな格構で両眼に涙を一杯溜た七郎が松林を脱けて行かうとしてゐる姿を認めて...
牧野信一 「南風譜」
...しかし不思議に良人の文章から御馳走が脱け出して次ぎつぎと眼前に並び...
矢田津世子 「茶粥の記」
...銀行は英国の支配からいつまでたっても脱けられませんからな...
横光利一 「上海」
...もう喜びが過ぎてしまった後のようにもの悲しさが脱けなかった...
横光利一 「旅愁」
...先年、織田殿から仰せつかった賦課金二万金を船積みして、ひそかに、港を脱け出して、堺の町民は異心のない旨をちかい、何とか、兵火にかかることだけはないように、御思案を仰ぐのです...
吉川英治 「新書太閤記」
...寝たほうがいい」武蔵が脱け出した蒲団の後へ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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