...浦島は船醉ひに似た胸苦しさを覺えた...
太宰治 「お伽草紙」
...上衣を脱いで右側の机の上に投げ出し机の前に帰ったが同時に名状の出来ない胸苦しさを覚えた...
寺田寅彦 「病中記」
...横臥したいと思ったが寝る所がないから机の上に突伏(つっぷ)して右に左に頭をもたせてみたが胸苦しさは増すばかりで全身は汗ばんで来た...
寺田寅彦 「病中記」
...吐いてしまったら胸苦しさはなくなったが急に力が抜けたような気がしてそのまま動かずに天井を見ていた...
寺田寅彦 「病中記」
...彼は神経のために、胸苦しさや、激しい痛みや、突然の息づまりなど、原因もないさまざまの軽微な症状に襲われた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...胸苦しさも感じないで息をし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自制出来ないやうな胸苦しさになつてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...肩のあたりに重いものを被(かぶ)せられたやうな胸苦しさで扉の外の外国の言葉を聞いてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...息が出来ない程の胸苦しさで...
林芙美子 「浮雲」
...夜なども胸苦しさうに溜息をしたり...
平出修 「計画」
...夜なども胸苦しさうに溜息をしたり...
平出修 「計畫」
...そしてその数日の間彼女を心にもなく苦しめていた胸苦しさは...
堀辰雄 「菜穂子」
...その胸苦しさも忘れ...
堀辰雄 「菜穂子」
...焼け酒飲み過ぎてなほ胸苦しさよとかこちたるさまをも見せたり...
正岡子規 「俳諧大要」
...なんとなくためいきか胸苦しさを表わしているように思われた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...胸の動悸の激しさ! いきざしの荒々しさ!「おお、咽喉がかわいて、干(ひ)ついてしまうようじゃ」と、浪路はやがて、又も、銀の杯に、甘い酒を充たして、一つを雪之丞の手に持たせ、「固めの杯――そなたも、一どきに飲んで――」雪之丞、胸苦しさを、やっとおさえて、その杯を干す...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...其の胸苦しさは彼女の良人自身が経験しなければならぬ実感と...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...矢代の胸苦しさを一層ふかめそうな筈なのに...
横光利一 「旅愁」
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