...今夜はどうしてこんなに夜鳥の声が耳につくのでしょう...
太宰治 「駈込み訴え」
...耳につく程の音を立てない...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...百舌鳥の声が耳につくやうになつた...
種田山頭火 「其中日記」
...下の茶(ちゃ)の室(ま)の簷端(のきば)につるしてある鈴虫の声が時々耳につくだけであった...
徳田秋声 「あらくれ」
...自分の座敷は殊更谷川に近いかして夜の深けると共に水の音がます/\耳につく...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...二人のさしかざす唐傘(からかさ)に雪のさらさらと響く音が耳につくほど静であった...
永井荷風 「十日の菊」
...さらに山の手の寄席の夜らしい耶蘇の太鼓が耳につく……...
正岡容 「寄席行燈」
...やかましさが実に耳につくこと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かえって耳につく潮鳴りの間に声を密(ひそ)めて...
吉川英治 「江戸三国志」
...ところが、この間も話したようなお犬小屋一件からは、こッちの身一つも、危くなり、梅賀の家へも寄りつかねえので、女心のやきもちから、お人よしの久助をくどいて、とうとうやッて来ちまったにちげえねえ」戸棚の声がとぎれると、雨の音が、耳につく...
吉川英治 「大岡越前」
...ただ滔々(とうとう)淙々(そうそう)と舷(ふなべり)を洗う音のみ耳につく...
吉川英治 「三国志」
...昼も蚊うなりが耳につく...
吉川英治 「私本太平記」
...朝早い寒雀のさえずりが耳につく...
吉川英治 「私本太平記」
...――漕(こ)ぎよせてくる検使舟の櫓(ろ)の音のみが耳につく...
吉川英治 「新書太閤記」
...上も下も、怪(け)しからん世の中だ」なるほど、そう聞いてみると、かなり耳につく...
吉川英治 「松のや露八」
...鶯の声が、今朝も耳につく...
吉川英治 「源頼朝」
...――ふと水音が耳につく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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若山牧水 「みなかみ紀行」
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