...その濃緑の帷(とばり)からは何処ともなく甘い香りと蜂の羽音とがあふれ出てひそやかな風に揺られながら私を抱き包んだ...
有島武郎 「フランセスの顔」
...その清浄な甘い香りでわたくしを包んだ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...餅菓子の折の底を嗅ぐような甘い香りが部屋の中に漂い...
谷崎潤一郎 「少年」
...蜜のような甘い香りが流れて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...何ともいへない郷愁をそそる甘い香りがまぢかに感じられた...
原民喜 「雲雀病院」
...甘い香りを食べて生きていたという古い物語のなかの人物のように...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...甘い香りがツーンと来て...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...部屋に甘い香りが満ちて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...冷たく甘い香りが鼻を衝いて...
牧野信一 「淡雪」
...ムツとする程な甘い香りが...
牧野信一 「妄想患者」
便利!手書き漢字入力検索