...其畝々に溜つてる桑の落葉が未だ落ちた許りに黄に潤うて居るのである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...そのころは一時潤うていた深山の生活状態がまた寂しくなっていたので...
徳田秋声 「黴」
...萎(な)えたような皮膚がしっとり潤うようであった...
徳田秋声 「爛」
...畑も土も真黒に潤うた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...長い目で見れば敗北側もたまには潤う...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...同時に自分の懐も潤う方法が見え始めた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...今日の私たちは心持も体もいくらか潤う食事をこしらえてゆくことに骨おしみしてはいまい...
宮本百合子 「「うどんくい」」
...分けてはいる人は露に全身が潤うのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...工藝に潤うこの世を...
柳宗悦 「工藝の道」
...そのたった今嚥(の)んだばかりの毒液に潤うた唇は...
夢野久作 「暗黒公使」
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