...気ぬけがしたように...
海野十三 「怪星ガン」
...そんなことだったの」妾は、このいままで重大視していた「三人の双生児」の謎が意外も意外、あまりにも明快にスラリと解けたので、滑稽(こっけい)でもあり、気ぬけもして、暫くは笑いが停まらなかった...
海野十三 「三人の双生児」
...二人は気ぬけがして帰って来た...
田中貢太郎 「魔王物語」
...それがまるで気ぬけしたみたい...
田中英光 「野狐」
...いやというほど水を飲み、化けそこなった水の精のように、髪から滴(しずく)をたらしながら岸に這いあがると、気ぬけがして、ひと時、茫然と草の中に坐っていた...
久生十蘭 「肌色の月」
...まるでセリフの心配が無いのも気ぬけのすることなのだ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あまりの予定ちがいに気ぬけしていたほど日が経(た)っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...気ぬけのしたるやうに思はる...
正岡子規 「墨汁一滴」
...この間の染物のこと飯尾さんにお頼みしてくれるようにって云ってらしてよ」「ああそのことならさっき通りでお伺いしました」飯尾さんは少々気ぬけのした顔になった...
矢田津世子 「父」
...ちょっと気ぬけがし...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...気ぬけのしたような気持で日を過したことを覚えている...
山本周五郎 「菊屋敷」
...気ぬけのしたような身ぶりで...
山本周五郎 「さぶ」
...おそらく東湖先生をおたずねなさるのでしょうね」「さあどうなりますか」相手のようすが急に変ったので大助はほっとすると同時に少し気ぬけがした...
山本周五郎 「新潮記」
...むしろどこやら気ぬけのしたこわねでさえあった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...やがて気ぬけのしたように云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...おせんは気ぬけのした者のように...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ぼうぜんと気ぬけのした伊那丸(いなまる)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...茫然(ぼうぜん)と気ぬけのしてゆく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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