...先生は気が気ではない...
海野十三 「火星兵団」
...吊(つ)り綱(づな)空魔艦の上から、一本の綱でもって宙につりさげられた丁坊は、気が気ではない...
海野十三 「大空魔艦」
...気が気ではないのですが...
江戸川乱歩 「大金塊」
...気が気ではないのです...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...さあ、そこが紀州女の執念で、食いついたら放すことじゃない」「やれやれ」「ところが、その安珍殿というのが、この上なしの野暮(やぼ)で、一向(いっこう)お感じがない、感じないわけでもあるまいが、そこは信心堅固の山伏だ、仏法の手前があるから逃げる、姫様は離れない、寝るから起きるまで、食付(くいつ)き通しで離れない」「それは大変だ」「そこで、安珍殿も弱りきって、ぜひなく、清姫様を諭(さと)して言うことには、わしはこれから熊野権現(くまのごんげん)へ行く身だから穢(けが)れてはならぬ、その代り帰りには、きっとお前の望みを叶(かな)えて上げるから、日数(ひかず)を数えて待っていて下さいと」「なるほど」「そうしておいて安珍殿は熊野へ参詣を済まし、その帰りには、この家の前を笠で面(かお)を隠して、素早(すばや)く通りぬけてしまった」「泊ればよかったに」「清姫様は蔭膳(かげぜん)を据(す)えて待ちに待ち焦(こが)れておいでなさるが、日限(ひぎり)がたっても安珍殿の姿が見えない、気が気ではない、門前を通る熊野帰りの旅僧にたずねてみると、その人ならば、もう二日も前にここを通り過ぎたはずだと教えられて髪の毛がニューッと逆さに立った」「うむ、うむ」「角が二本……雪の膚(はだえ)にはみるみる鱗(うろこ)が生えて、丹花(たんか)の唇は耳まで裂けた」「鬼になった、蛇になった」「角が生えた、毛が生えた」「そうして、この日高郡をめざして一散(いっさん)に安珍殿を追いかけたものだ」「なるほど」「それから安珍殿が、道成寺の大鐘の下へかくされる、追っかけて来た清姫様は、もうこの時は本当の蛇におなりなすった、鐘のまわりをキリキリと巻き上げて、尾でもって鐘を敲(たた)くと、炎(ほのお)が燃え上る――寺の坊さんたちは頭をかかえて逃げ出したが、程経(ほどへ)て帰って見ると、鐘はもとのままだが、蛇はいない、熱くて鐘の傍へは近寄れない――遠くから鐘を押し倒して見ると、安珍殿はいない、骨もない形もない、ただ灰がちっとばかり残って……」これで、安珍清姫様の物語のあらすじは一通りわかったから、今度は帯である...
中里介山 「大菩薩峠」
...遮塀(パレエ)にしがみついていたコン吉はもう気が気ではない...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...金五郎は、気が気ではない...
火野葦平 「花と龍」
...それも気が気ではないのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...気が気ではないがお天気相手じゃ喧嘩にもならない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...スタートで狂つてゐるのを眺めてゐるのは熱情家の私達にとつては全く気が気ではない...
牧野信一 「競馬の日」
...あうごとに気が気ではない...
室生犀星 「花桐」
...気が気ではない容子(ようす)だった...
吉川英治 「大岡越前」
...四気が気ではないのに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...気が気ではないような眼(まな)ざしをそろえていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...虎之助は、気が気ではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...気が気ではない様子であった...
吉川英治 「源頼朝」
...気が気ではない――もう夕方は迫っているのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...すると猟師は、気が気ではない...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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