...母ならぬ人には毛ほども悟られたくない...
石川啄木 「不穩」
...しぶとい心持などは毛ほどもなかった二人には...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...私は民さんを毛ほども疑わなかったですもの...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...それを今日まで鵜(う)の毛ほども感づかれないようにしていた幼い者の心づかいが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...全く房一のことは毛ほども考へたことはなかつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...こつちでやきもきしても先方では毛ほども思つてやしないんだ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...もちろん身に覺えがあるなどという素振りは鵜の毛ほども見せずに...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...インチキは卯(う)の毛ほどもございやせん...
中里介山 「大菩薩峠」
...父親の悪事を毛ほども知らなかったので役人方を驚かしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ヤレ昔を忘れて厚かましいだの可笑(おか)しいだのと云う念が兎(う)の毛ほども腹の底にあっては...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...腹の底から之(これ)を愛して兎(う)の毛ほども分隔(わけへだ)てはない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...武骨な男には人の機嫌(きげん)を取る自信は毛ほども無かった...
本庄陸男 「石狩川」
...あれほどの一種の女傑でありながら色ざんげらしいことは毛ほども喋ろうとしなかった...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...うの毛ほども違いなく...
南方熊楠 「失うた帳面を記憶力で書き復した人」
...秀吉の下風(かふう)について事を成そうなどという卑屈は毛ほども考えていないのである...
吉川英治 「黒田如水」
...毛ほどもない言葉つきなのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...白い部分は毛ほども残っていない...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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