...万一血統を絶(た)やしてはと云う心配もなくはないので...
芥川龍之介 「開化の良人」
...「クサカ」と名を呼ばれる度に何の心配もなく庭に走り出るようになった...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...野営地をさがす心配もなく...
石川欣一 「可愛い山」
...落つこちる心配もなく...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...何の心配もなく楽しいのでございます...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...すこしの心配もなくねむった...
海野十三 「超人間X号」
...だれに立ち聞きされる心配もなく...
江戸川乱歩 「影男」
...心配もなく、寂しさもなく、苦しみもなかった...
太宰治 「女生徒」
...平素君江が何の心配もなく面白そうに日を送っている事で...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...この頃のように入学試験の準備などに追われる心配もなく...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...實は南京蟲でもゐはしないかといふ心配もなくはなかつたのだが...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...盗賊・人殺しの心配もなくして渡世するを...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...が、その温(あたたか)な愛念も、幸福な境界(きょうがい)も、優しい調子も、嬉(うれ)しそうに笑う眼元も口元も、文三が免職になッてから、取分けて昇が全く家内へ立入ったから、皆突然に色が褪(さ)め、気が抜けだして、遂(つい)に今日この頃のこの有様となった……今の家内の有様を見れば、もはや以前のような和いだ所も無ければ、沈着(おちつ)いた所もなく、放心(なげやり)に見渡せば、総て華(はなや)かに、賑(にぎや)かで、心配もなく、気あつかいも無く、浮々(うかうか)として面白そうに見えるものの、熟々(つらつら)視れば、それは皆衣物(きもの)で、体(はだかみ)にすれば、見るも汚(けがら)わしい私欲、貪婪(どんらん)、淫褻(いんせつ)、不義、無情の塊(かたまり)で有る...
二葉亭四迷 「浮雲」
...酒場の亭主に信用のある限りは何の心配もなく呑気に楽しんで居るのです...
牧野信一 「喜劇考」
...呼び出される心配もなく...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...學資の方の心配もなく...
三島霜川 「自傳」
...間違う心配もなくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何の心配もなくなったぞ」将士にいたるまで...
吉川英治 「新書太閤記」
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