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高見順 「死の淵より」
...「今日お前はいつものよそゆきと違って大変直(ちょく)な生(うぶ)な身装(なり)をしているねえ」私は...
近松秋江 「うつり香」
...よそゆきらしい薄い金茶色の絽(ろ)お召(めし)の羽織を着て...
近松秋江 「黒髪」
...よそゆきのことばで固くなっている...
壺井栄 「二十四の瞳」
...与八がよそゆきの着物を着出すことも滅多にないことであるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...「エヘン」とよそゆきの咳払(せきばら)いをしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お雪ちゃんのよそゆきであるべき衣裳すらが...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれどもまだ自分で余所行(よそゆき)の着物を拵えるというほどの分別(ふんべつ)は出なかったのです...
夏目漱石 「こころ」
...昨夜は――あの時分大川の上に居りましたが」「よし/\心中する道行に他所行(よそゆき)の煙草入を持つて行く筈はないと言ふつもりだらう」「その通りで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かしこに煙の流るる空はつめたくして草はあたたかに萌えたり手はくみて歩めどもよそゆきの着物のにほひ侘しきに秋はうららに落ち來り日向に幹木の愁ちらばふ晝餉どき停車場のほとりに出でわづかなる水をたうべしに工人の居て遠き麥畑を指させり(一九一三...
萩原朔太郎 「郊外」
...男の身のそれ位はありうちと他處行(よそゆき)には衣類(めしもの)にも氣をつけて氣に逆らはぬやう心がけて居りまするに...
樋口一葉 「十三夜」
...他所行着(よそゆきぎ)のお袂(たも)より縫(ぬひ)とりべりの手巾(はんけち)を見(み)つけ出(だ)したる時(とき)の憎(に)くさ...
樋口一葉 「われから」
...それが俺の外行(よそゆき)のときの冠(かんむり)とも衣服ともなつて...
平出修 「公判」
...他所行(よそゆき)に着替えた御主人がにこやかにいった...
正岡容 「小説 圓朝」
...ちょいとよそゆきの方が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「人間の霊魂もそのときだけはよそゆきのもの・別のもの・とならざるをえない」という意味ならよい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...晴れの盛儀になるとたれの顔もみなよそゆきになって...
吉川英治 「私本太平記」
...ぼくの眼にも覚えのある女の子たちの友禅物や母のよそゆきやら父の紋付袴やらが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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