...素早く、階子段(はしごだん)の降口を塞(ふさ)いで、むずと、大手を拡げたろう...
泉鏡花 「歌行燈」
...むずと曲者の肩を握(とりしば)った...
泉鏡花 「婦系図」
...むずと抱きとめた者がいるのだ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...丁坊をむずとつかまえた...
海野十三 「大空魔艦」
...ぼくはとつぜんむずと摘(つま)みあげられた...
海野十三 「もくねじ」
...机上の小雀をむずと掴み...
太宰治 「お伽草紙」
...今しも夫人の胸元を刺そうとしている則重の利腕(きゝうで)をむずと捕えた...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...むずむずとした形で...
中里介山 「大菩薩峠」
...今度は胸の中から両手をむずと出して...
夏目漱石 「虞美人草」
...唇がむずむずと動く...
夏目漱石 「倫敦塔」
...逃がすものか」後ろからむずと組み付きましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...むずとその襟髮(えりがみ)を掴まれたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」浜子は、むずとして、軽く古い箏(こと)の絃(いと)に指を触れながら、そんなしゃれを言った...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...犬の衿上(えりがみ)をむずと掴(つか)んで何処へか持って去(い)く...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...後ろから、むずと、相手の半衣(はんい)の羽ネをつかんで...
吉川英治 「私本太平記」
...むずむずと、袂の内から取出したものを、枕元の一穂(すい)の灯にかざしながら、横になったままで、飽くなく見入っていたのであった...
吉川英治 「私本太平記」
...秀吉はむずむずとからだをうごかし出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして、一角のうしろからも、丈八郎の後ろからも、むずと、抱きすくめた者がある...
吉川英治 「無宿人国記」
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