...ふいに足の下がくずれだした...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...ふいに二つにとけ割れました...
鈴木三重吉 「一本足の兵隊」
...それですつかりふいになつてしまふ...
高田保 「貸家を探す話」
...それからふいに、皮肉な微笑を浮かべ、立上って押入から一枚の白紙を取り出し、それを餉台の上に拡げ、右の掌を平らに、白紙の上二三センチのところに差出して、じっと心意を凝らしてるようだった...
豊島与志雄 「霧の中」
...そして、じろじろ見ていましたが、ふいに、馬から飛び下りて、太郎のそばにやって来ました...
豊島与志雄 「金の目銀の目」
...ふいに呼びかけた...
豊島与志雄 「庶民生活」
...ふいに、手塚さんの汗ばんだような生温い掌を感じて身体の縛めが解けた...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...洋介は、誰に対してもあまり話しかけなかったが、どういう時ということなく、ふいに、じっと人の顔を見る癖があった...
豊島与志雄 「波多野邸」
...それからふいに彼女は叫んだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ふいに夢の中へ跳び込んで来た...
萩原朔太郎 「日清戦争異聞」
...ふいにソドムのやうな異樣な笑ひを浮かべた...
堀辰雄 「羽ばたき」
...――そして、流れのそばを去りかけると、ふいに、こらえていた笑いを放つような声が、頭の上から彼を驚かした...
吉川英治 「銀河まつり」
...俗の名をふいに呼ばれたからである...
吉川英治 「私本太平記」
...いつまでお玄関(げんかん)に立ちはだかっていると、つまみだすからそのつもりでおれ」「ちぇッ、ばかにしやがら」「こいつめ、まだでて失(う)せぬかッ」「いまいましい! けッ、よくも人にカスを食(く)わせやがったな、おぼえていろ、いまに鷲に乗って、この屋敷の上から小便をひっかけてやるから」得意と、えがいてきた慾望(よくぼう)を、めちゃめちゃに裏切(うらぎ)られた蛾次郎は、腹立たしさのあまり、出放題(でほうだい)なにくまれ口をたたいて、黒屋敷(くろやしき)の門をでようとすると、横からふいに、「これッ、待て!」と、ふとい腕が、むんずとかれの襟(えり)がみをつかみもどした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...追(お)いつめられた手長猿(てながざる)のように、蛾次郎のほうは、だんだん危険(きけん)な枝へはいうつって、いくら竹童でも、もうここまではこられまいと安心していたが、ふいに、竹童の体重(たいじゅう)がおなじ枝へのしかかったとたんに――生木(なまき)の股(また)に虫蝕折(むしお)れでもしかけていたのだろうか、ボキッと、あまりにもろい音がした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...するとふいに、走り出て来たひとりの老婆が、彼女の胸をどんと突いて、泣き声交(ま)じりに烈しく叫んだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――まだ歩いておるか」ふいに...
吉川英治 「源頼朝」
...誰奴(どいつ)だッ?」ふいに棒は風を呼んで...
吉川英治 「宮本武蔵」
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