...私共はむしろそんな無用な事は止めにして...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...僕は悲しみの感よりはむしろ驚きの感に先きだたれた...
大杉栄 「獄中消息」
...すると須佐之男命(すさのおのみこと)はむきになって...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...――2.彼は嚴格と云ふよりはむしろ殘酷なのである...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
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高見順 「死の淵より」
...近きに寄りて亡びたるパトロクロスを弔はむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ボートの選手は、一本一本のオールを手離さないことでもって、ついには天地晦冥の無意識の中に陥ってゆくが、この時に、彼はむしろ、ほんとうのフォームに立ちいたり、それを会得し、自分の会心、自分のペースに邂逅しているのである...
中井正一 「脱出と回帰」
...それらは早何となく自分の著作というよりはむしろ既に死んでしまった或(ある)親しい友人――その生涯の出来事を自分は尽(ことごと)く知り抜いている或親しい友人の遺書であるような心持がする...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...脅かすよりはむしろ唆(そゝの)かすやうに八の字を寄せるその狭い額...
長與善郎 「青銅の基督」
...肱(ひじ)の上に載せられたその横顔はむしろ蒼白(あおしろ)かった...
夏目漱石 「道草」
...睡眠はむしろ死の部に含まれているがごとくに称(とな)えられるが...
新渡戸稲造 「自警録」
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萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...すると相川はむっくり起き上ったが...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...おかあさんはむしパンののこりを紙につつんでその子に持たせました...
林芙美子 「お父さん」
...登美子にとつてはむしろ好意のもてる顏だつたけれども...
林芙美子 「婚期」
...無学無識の徒に知られざりしはむしろ蕪村の喜びし所なるべきか...
正岡子規 「俳人蕪村」
...きつかったらしいな」と甲斐はむしろ冷やかに訊いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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夢野久作 「猟奇歌」
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