...はぐらかしおって!」闖入者は一歩踏みだし...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 海野十三訳 「まだらのひも」
...「叔父さん、いや、王こそ、僕のお願いを、はぐらかします...
太宰治 「新ハムレット」
...ニヤニヤ笑いながらはぐらかして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それを桑つみにいつた拍子にふいと私が見つけびつくりして飛んでかへり訳をきいたがみんなはなんのかのとはぐらかして相手にしようとしない...
中勘助 「銀の匙」
...わたしたちをはぐらかしたとしたら...
中里介山 「大菩薩峠」
...俺は不思議でたまらねえ」平次は八五郎の話をはぐらかして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...はじめ彼は研究の結果をさぐり出そうとする記者の問いをはぐらかして答えなかつたが...
長谷健 「天草の春」
...そのまゝはぐらかして...
林芙美子 「浮雲」
...せいぜい首をひねっているところだ」「相変らずはぐらかしますねえ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...おのぞみなら釉をかけてモフル窯できれいに仕上げてあげますがね」などと空(そら)をつかってはぐらかしてしまった...
久生十蘭 「骨仏」
...はぐらかしてしまったが...
久生十蘭 「西林図」
...「はぐらかしちゃいけません...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...人相も御覧になるのかえ」「はぐらかしちゃあいけねえ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「まあ、莨(たばこ)でも上って――ソラ、お茶もはいりました」婆さん、皺(しわ)びた両手で、茶と、煙管(きせる)をすすめて、じっと、みつめて、「おまえさん、とぼけたり、はぐらかしたり、しッこなしにしておくれよ」「別に、はぐらかしも、とぼけもしやあしねえ――」法印、煙草はことわって、ガブリと茶を呑んで、「何を考えているのだね? 婆さんは?」「ひ、ひ、ひ、ひ」と、例の笑いを、笑った老婆、「いかにおまえさんが、御法体(ごほったい)の、上人さまでも、こんな宝を、折角手に入れて、そのままになさるはずがないと思うのですがね――お前さんだって、島抜けの何のとまで綽名(あだな)を持った、お人じゃものな――ひ、ひ、ひ、ひ」「ふうむ、この女子(おなご)のことを、いっていなさるのかな?」と、法印、浪路に目を送る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...在る問題を自分の心に向ってもはぐらかしてはいけないと思う...
宮本百合子 「家庭と学生」
...わたくしとはいわず、あたくしと、はやりどおりにいうこの女性は、どうしてこんなに賢こげな言葉をつらねてすべてまともであるべき問題を、はぐらかし、銀色に光っているとすれば、それは不潔のうちに棲息するなめくじの這い跡のようでなくてはならないのだろう...
宮本百合子 「傷だらけの足」
...先方は心得ていてそれらをはぐらかしてしまった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一種のはぐらかしと見られないこともない...
吉川英治 「私本太平記」
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