...ただなんとなくひ弱くはかなげなるは...
伊藤左千夫 「廃める」
...薄色に咲いていかにもはかなげな夕暗の寂しい気分を漂はせて居る...
平出修 「公判」
...隣りの墓の垣の破れかけたのにからみついた昼顔の花がこちらの墓の前まではかなげな色をして這(は)いよっているせいでもなさそうだった...
堀辰雄 「花を持てる女」
...アカダモのうすい葉は黄ばんではかなげな色に見え...
本庄陸男 「石狩川」
...遂に生れた土地を去るという――この何かはかなげな思いが胸を暗くするばかりである...
本庄陸男 「石狩川」
...はかなげな浪路を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...はかなげな口ぶりであった...
山本周五郎 「季節のない街」
...優しい草よ、はかなげな草よ、全身に青玉(せいぎよく)の質(しつ)を持ちながら、七月の初めにもう秋を感じてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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