...光線のぐあいはなはだつたなく...
井上円了 「おばけの正体」
...それ丈けに、明智の行衛捜査については、死力を尽したが、武運つたなく、未だに何の手掛りさえ発見出来ないのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...わが論つたなくとも楯半面の真理...
太宰治 「創生記」
...各二磅(ポンド)ずつ賭けた――ところが! 馬運つたなく...
谷譲次 「踊る地平線」
...二代の久政公の御りょうけんがつたなく...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...この三人のかた/″\は武運つたなく縄目のはじをおうけになって御前へひきすえられました...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...さだめつたなく生れたものなればのう――』『ほんに――』窕子も身につまされずにはゐられなかつた...
田山花袋 「道綱の母」
...が拙者の術がつたなく貴殿に負けたうえは...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...ひたすら悪運と戦ひ、つたなくも敗る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...運つたなくて街頭の詩人になつて了つた...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...拙於考証(こうしょうにつたなく)...
森鴎外 「渋江抽斎」
...武運つたなく死ねば死ねと覚悟をきめて...
山本周五郎 「思い違い物語」
...運つたなく尾張の城下で捕りおさえられたものの口書でありましょう...
吉川英治 「江戸三国志」
...中興の祖劉貞(りゅうてい)は、ひとたびは、県(たくけん)の陸城亭侯(りくじょうていこう)に封ぜられましたが、家運つたなく、以後流落して、臣の代にいたりましては、さらに、祖先の名を辱めるのみであります...
吉川英治 「三国志」
...叔父の一家とともに、乱軍のなかを落ちて、城外遠くに屯(たむろ)して、再起を計っていたが、或る夜、土民の反乱に襲われて、叔父の玄は、武運つたなく、土民たちの手にかかって首を取られてしまった...
吉川英治 「三国志」
...もし高氏が、武運つたなく、野末(のずえ)に屍(かばね)をさらしたら、道誉、おぬしに、くれてつかわすよ」「なにをば?」「あとの天下をだ」「まだ取りもせぬ天下をば...
吉川英治 「私本太平記」
...「もう一名の、足利殿の庶子(しょし)、竹若ぎみは、その後、いかがなされしか」「されば、その君は、伊豆山から叔父の法師ほか十数名に守られて落ち行く途中、御運つたなく、駿河の浮島(うきしま)ヶ原(はら)にて、幕府の武士にみなごろしにされたとかの噂にござりまする」「みなごろしに...
吉川英治 「私本太平記」
...お父上のご武運つたなく...
吉川英治 「神州天馬侠」
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