...ちらばっている菫(すみれ)の花束をいかにも樗牛にふさわしいたむけの花のようにながめて来た...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...きれいな歌声にじっと耳をかたむけて...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「ナイチンゲール」
...前方の注視には心持ち首をかたむけているのが癖であったとか...
上田広 「指導物語」
...彼はガラス管の前に小首をかたむけ...
海野十三 「生きている腸」
...神のような智謀をかたむけて...
海野十三 「蠅男」
...ほんとうの悦楽が何であるかを彼が選んだもの以外には耳をかたむけようとはしないであろう...
中井正一 「脱出と回帰」
...無論新しい手向(たむけ)の花なぞは一つも見えない...
永井荷風 「すみだ川」
...盆踊り盆の踊りはみ霊(たま)のたむけ音頭とりさん屋台の上で太鼓打つやら鐘叩くやら「盆だ 盆だ」と皆出て踊る踊り見にゆこ提灯つけて七夕さまと歌七夕(たなばた)さまは竹が すき竹に 短冊歌が すき歌の 中でもどれが すき天智天皇「秋の田のかりほのいほの」歌が すき高津の宮の「高きやにのぼりてみればけむり立つ民(たみ)のかまど」の歌が すき相撲とり人形お相撲はヨイシヨナ...
野口雨情 「未刊童謡」
...私はぼんやりと彼等の会話に耳をかたむけることがあった...
原民喜 「翳」
...リザヴェッタは恐ろしさに顫(ふる)えながら彼の話に耳をかたむけていた...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ななめにかたむけたインキ壺(つぼ)の...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...小首をかたむけるばかりだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...耳をかたむけるようにしたが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...アラムハラドは急(いそ)いで眼をひらいて少し首をかたむけながら自分の室に入りました...
宮沢賢治 「学者アラムハラドの見た着物」
...ごくわかりやすい話に耳をかたむけていながら...
村山俊太郎 「石をしょわずに」
...一草に心かたむけてあるを見るときに...
室生犀星 「庭をつくる人」
...さっきから耳かたむけて聞いていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...四武蔵の消息を訊かれると、城太郎は、そのことなら、此方(こっち)から訊きたいところだと、いわぬばかりに、「知らないよ、おいらは」「なぜ、あんたが知らないのさ」「お通さんとも、お師匠様とも、途中でみんな、迷(はぐ)れてしまったんだもの」「お通さんて――誰?」朱実は、急に、彼のことばに、注意をかたむけ、そして、何か憶い出したように、「……ああそうか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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