...ひと眼みるのもけがらわしいと思っている僕が(いや全(まった)く其の頃は真剣にそう信じていたのである)一時間に亘(わた)って女ばかりを数えたり分類をするためにジロジロ観察したりするのは実に耐えられないことだった...
海野十三 「階段」
...ただけがらわしい罪にあさましい罪が重なり...
太宰治 「人間失格」
...けがらわしいダッタン人が天国へ行ったからとて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あのけがらわしい閾(しきい)をまたぐのも今日がいよいよ最後だが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...穴蔵のなかでも一番けがらわしい隅っこへ押し込んでしまう...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...「そんなにけがらわしい話はよしてくれ!」「冗談を言ってるのよ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...動物はただ子孫を挙げ得る時に交尾するのみですが‥‥けがらわしい自然界の王は...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...どうぞお気を直していただきたいもんで」「けがらわしいよ」お絹はよほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お、お、おじさん、こ、この死人というのは、人間じゃござんせんぜ」「ナ、ナ、何を言わしゃるのだ、皆様もきいてござるに」「何を言うものか、そ、そ、そこに、長い箱に寝そべっている、そりゃ何者じゃ」「仏(ほとけ)じゃわい、阿房(あほう)言うな」「仏、仏、おかしいわい、けがらわしい、そ、そ、そんな仏があるかい、畜生じゃ、畜生じゃわい」「ナ、ナ、何を言いくさる、おぬし、気が違ったか」「気は違やせんわい、お、お、おじさん、お前が気が違ったろう、お前ばかりじゃない、ここへ集まる、皆さんが、みんな気が違っていなさるのじゃわ」「ナ、ナ、ナ、ナニを御無礼なことを言わっしゃる、わ、わしはいいが、皆様を気違いじゃとは、そのおとがい――……」「気違いでなくて何じゃ、この、この人でなしは、この家へ入れるべきもんじゃない、皆様、皆様も、こんな人でなしの畜生のために、なに、御回向(ごえこう)がいろうぞい、おかしいわい、臍(へそ)がよれるわい」「わりゃ、わりゃ、まだぬかすか、ほんとうに慢心じゃ、ほんとうに気違いじゃ」「いいや、わしは気は狂わぬ、この人でなしをここへ連れて来た者が狂っている、ここへ集まった者は性根(しょうね)が腐っている」「まだ言うか、われ、そのおとがいを打砕(ぶっくだ)いてくれる」「砕けるものなら砕いてもらおうわい、その前にわしが言うことを聞いて置きや、この仏、仏ではない、人でなし、地獄、畜生婆あはこの川杉屋で何をしたか、皆様、知ってござろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...けがらわしいもののように...
火野葦平 「人魚」
...けがらわしい毒で汚(よご)して...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...けがらわしいリスト調製に無関係ではないと話される作家さえもあった...
宮本百合子 「ある回想から」
...けがらわしい療治のことや...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「口にするのもけがらわしいがよ」女置場のおとよという女と...
山本周五郎 「さぶ」
...「けがらわしい、たくさんだ」おみやは起き直った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「けがらわしいッ...
吉川英治 「江戸三国志」
...見るもけがらわしいと思って棄てたのか』『い...
吉川英治 「御鷹」
...わしの弁当を半分ほどでも食べてくれぬか」「けがらわしい」「なに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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