...さすがにタンクには手が出しかねて...
海野十三 「戦時旅行鞄」
...かねてそれを合図と示し合せてあったから...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...かねて露伴氏と縁故のある金港堂や博文館の編輯(へんしふ)局へ売りに往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...「あの金は私がある所から借りた内をあなたに融通したのでやして」「はい」「實は私の方もまだ調達しかねてをるので昨日この月末迄延期して貰う事に先方へ頼んで置きましたやうな次第で...
高濱虚子 「俳諧師」
...幸子はかねてから考えていた富士五湖めぐりを所望した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...かねての約束の如く...
種田山頭火 「旅日記」
...ありへにし家にも居かねて...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...山深く何かいほりを結ぶべき心の中に身はかくれけり座禅(ざぜん)せば四条五条の橋の上ゆき来の人を深山木(みやまぎ)と見て第十章 人生の成敗米国南北戦争における名将かねて米国に遊学していたころから...
新渡戸稲造 「自警録」
...世上の取沙汰や親の思惑を測(はか)りかねて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かねて近隣に志操気概を謳われていたが...
服部之総 「志士と経済」
...ある土人が犬を殺しては喰うのを見かねて...
松永延造 「職工と微笑」
...かねて我身いとほしみたまふファブリイス夫人への消息(しょうそこ)...
森鴎外 「文づかひ」
...その待ちかねていた二萬を唐沢氏が捨てた...
矢田津世子 「女心拾遺」
...かねて新嘗の日と定められてあった理由である...
柳田国男 「海上の道」
...――藤吉郎殿とはかねてのお約束...
吉川英治 「新書太閤記」
...かねて丹羽長秀に諜(ちょう)じておいた大喊声(だいかんせい)を起すべく...
吉川英治 「新書太閤記」
...かねて勘太の身の上を聞いていた人々は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...主(あるじ)の肚を悟りかねていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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