...僕の腹の中にいつの頃からか変な虫が巣を喰っている...
板倉勝宣 「五色温泉スキー日記」
...いつの頃からか私は女の絵ばかり描くようになってしまいましたが...
上村松園 「座右第一品」
...そしていつの頃からか...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...そのうちに、弟のお機嫌をとるために、あなたの著書を弟から借りて読み、面白かったり面白くなかったり、あまり熱心な読者ではなかったのですが、六年間、いつの頃からか、あなたの事が霧のように私の胸に滲(し)み込んでいたのです...
太宰治 「斜陽」
...いつの頃からか覚えないが...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...が、いつの頃からか、彼はヒポコンデリイに類した苛立しい張りつめた気分になっていた...
豊島与志雄 「作家的思想」
...いつの頃からか、記憶にはないが、私は一種の眼の幻影を見るようになった...
豊島与志雄 「憑きもの」
...やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、今迄流れてもゐなかつた川床に、水はさらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……幻影私の頭の中には、いつの頃からか、薄命さうなピエロがひとり棲んでゐて、それは、紗(しや)の服なんかを着込んで、そして、月光を浴びてゐるのでした...
中原中也 「在りし日の歌」
...こうして日は無事に過ぎましたが、いつの頃からか、総領の富太郎は虫の気がひどくなって、夜分にひどくうなされたり、物驚きをしたり、時々は引付けたり、次第に糸のごとく痩せ細って、頼りない有様になって行くのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――いつの頃からか男という男のあらゆる運命に対してともすれば皮肉になりがちな...
堀辰雄 「ほととぎす」
...いつの頃からか私をさう称んでゐた...
牧野信一 「悪筆」
...いつの頃からか若者は...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...いつの頃からかすっかりやめて...
宮城道雄 「心の調べ」
...いつの頃からか左前になって...
矢田津世子 「凍雲」
...いつの頃からか三尺坊を迎えて祀っています...
柳田國男 「日本の伝説」
...いつの頃からかこうきまったものらしく...
柳田国男 「年中行事覚書」
...いつの頃からかこれをサラギと濁音にしてしまったが...
柳田國男 「和州地名談」
...いつの頃からか浪人して...
吉川英治 「新書太閤記」
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