...薄暗い行燈(あんどう)をともした土蔵に誰か人の起きてゐるらしい物音が聞えるのでございます...
芥川龍之介 「雛」
...籠行燈(かごあんどん)の中にともした電燈が所々に丸い影を神代杉(じんだいすぎ)の天井にうつしている...
芥川龍之介 「老年」
...ここの行燈(あんどう)とかしこのランプと...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...四角な行燈(あんどん)も肩を円くして...
泉鏡花 「怨霊借用」
...うん安藤(あんどう)かといったきり...
伊藤左千夫 「箸」
...住職がもう起きて行燈(あんどん)に燈(ひ)を点けていた...
田中貢太郎 「義猫の塚」
...小民を安堵(あんど)せしむるが如き...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...行燈(あんどん)の火がフッと消えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...風呂行燈(ふろあんどん)の光で眺めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...見れば火を入れた大行燈(おおあんどん)を横に高く...
中里介山 「大菩薩峠」
...行燈(あんどん)を退(ど)かせるのだ」「――」默つて行燈を退(の)かせ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...絵硝子(ガラス)のはまった行燈(あんどん)のわきで一緒に御膳をたべさせるのを楽しみにしていた...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...六歳の時行燈(あんどん)を多く点(とも)し自分の影が行燈の数ほど増すを見て至って分り切った事と思うたが...
南方熊楠 「十二支考」
...いかにも安堵(あんど)したように溜息(ためいき)をもらした...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...行灯(あんどん)が一つ...
山本周五郎 「花も刀も」
...すぐにはわからないものだよ」おくみの眼が安堵(あんど)の色でやわらいだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...実はゴンクールの自殺なんだけど……あはははは……ねえ諸君そうだろう」皆一斉にほっと安堵(あんど)のため息を吐いた...
夢野久作 「暗黒公使」
...ふッと行燈(あんどん)を消して寝てしまいました...
吉川英治 「江戸三国志」
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