...痘痕(あばた)のある無髯(むぜん)の顔...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...又(また)痘痕(あばた)の爺(ぢい)さんを熟々(つく/″\)と見(み)ては思(おも)ひ出(だ)して袂(たもと)で口(くち)を掩(おほ)うた...
長塚節 「土」
...今日何人あばたに出逢って...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...かくのごとくあらん限りの空気をもって頬(ほ)っぺたをふくらませたる彼は前(ぜん)申す通り手のひらで頬(ほっ)ぺたを叩きながら「このくらい皮膚が緊張するとあばたも眼につかん」とまた独(ひと)り語(ごと)をいった...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...菊石(あばた)で眇目(すがめ)だった日にゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...疱瘡(はうさう)で菊石(あばた)になつたお百合さんとは同じ姉妹でも大變な違ひやうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遠眼鏡の殿樣も大あばたの奧方も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日本一の助平野郎の顔も見たいし」「馬鹿なことを言うな」「大嫉妬(おおやきもち)のあばたの奥方にもお目にかかりたいし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...月を疱瘡(あばた)面の醜男(ぶをとこ)にし...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...あばたがあるので菊石(きくせき)と号したりしたのを...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...菊石(あばた)なので...
火野葦平 「花と龍」
...あばた面(づら)になる代りとして...
山本周五郎 「青べか物語」
...お角(かく)という薄あばたのある中年の女が...
吉川英治 「江戸三国志」
...その辺の薄らあばたを...
吉川英治 「私本太平記」
...菊花石(あばた)くずれの鬼みたいな顔である...
吉川英治 「私本太平記」
...銅鑼という通称をとった彼の菊花石(あばた)を眺めていた...
吉川英治 「醤油仏」
...蜂須賀党の端くれに加わって、働くまでの決心はまだつききらないが、「畏(かしこま)りました」――云ったからには、七内様でも、あばた様でも、飽くまで誠意をもって、供をして行こうと、日吉は思いきめた...
吉川英治 「新書太閤記」
...浅黒いうす痘痕(あばた)があって...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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