...隅つこの男と親方は頻りに無駄口を叩いて皆んなを笑はしてゐる...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...哲学や精神生理に頻りに興味を持って研究していたが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...パトロンは頻りに妹を責めるので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「青い風呂敷包み」
...頻りに話し合っていました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...四五人の奴らが頻りに吾々の荷物を運び去って...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...盃が空になると細君がすぐ氣を利かしてついで呉れるのを感謝して頻りに飮む...
高濱虚子 「俳諧師」
...同じ新聞の三面記者をして居つた星野といふ男も同時に止めて二人で或會社を創立するといつて頻りに奔走して居つた...
高濱虚子 「俳諧師」
...そして頻りに囈語を吐いた(自覚してゐて寝言をいふのだから助からない)...
種田山頭火 「其中日記」
...それらの志士が頻りに出入して居たために...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...一刻が頻りに愛しまれてならない...
外村繁 「日を愛しむ」
...僕が心中頻りに苦悶して彼の一身に就いて將來の決心を慥めようと思つて有繋にいひ出し兼ねて居るとは知らずに威勢よく蒲團の上に躪りあがつた...
長塚節 「開業醫」
...一人はこの春さきの景色が煽情的だと云って頻りに嬉しさうに眺め廻した...
原民喜 「残雪」
...頻りに怕いやうな声をあげてゐた...
原民喜 「小さな村」
...向から頻りに槇氏に対つて頷く顔があります...
原民喜 「廃墟から」
...いゝ歯が出来たからと頻りにハガキなので...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...覚融(かくゆう)僧正臨終の時に、弟子共が、遺財の処分を定め置きくれよと、頻りに迫った...
穂積陳重 「法窓夜話」
...美妙斎の頻りと気負立つて議論したのと反対に一切沈黙の中から「浮雲」を書き...
水野葉舟 「言文一致」
...參拜を濟ませて社殿の背後の茶店に休んでゐると鷺の聲が頻りに落ちて來る...
若山牧水 「水郷めぐり」
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