...隙さえあれば、彼はこっそり瑠璃光丸の目を盗んで、大講堂の内陣に彳(たゝず)みながら、観世音や弥勒(みろく)菩薩の艷冶(えんや)な尊容に、夢見るような瞳を凝らしつゝ、茫然と物思いに耽って居た...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...隙さえあれば、彼女にせがむ...
豊島与志雄 「女客一週間」
...その上、隙さえあれば、体の汚れを嘗め清める...
豊島与志雄 「猫先生の弁」
...昔ふうの住民を「隙さえあれば化かそうと思っている」ということであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...隙さえあれば誘いかけるし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...なおさらのこと、織田、徳川など、隙さえあれば、領界から侵犯(しんぱん)して来る...
吉川英治 「新書太閤記」
...隙さえあれば逃げたがっているんだ」「そんなことがあるもんですか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...隙さえあれば彼をまこうとして互に智と策とを暗黙に闘わせつつ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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