...自分と云ふものゝ隅々にまで喰ひ込んで邪魔をするのだと云ふ自覚は...
伊藤野枝 「惑ひ」
...そのぐるりの隅々にまで隙間なくぎっしりとアドソールを詰め込み...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...殆んど凡ゆるマルクス主義的理論の隅々にまで織り込まれていると云っても好い...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...カンバスの隅々にまで健康な筆力が溢れきつてゐる...
中村地平 「悪夢」
...その波紋が世界の隅々にまで響いて来ていた時代であった...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...家の隅々にまで行亙(ゆきわた)ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こころの隅々にまで清(すが)すがしい風が吹きこんでくるようなうれしい思いがするにちがいない...
久生十蘭 「キャラコさん」
...俺の探訪記はラジオの電波に乗って世界の隅々にまで報道される...
久生十蘭 「魔都」
...ロンドンの下町の隅々にまで活躍するに反して...
平林初之輔 「日本の近代的探偵小説」
...この食堂の隅々にまで漂つてゐさうな...
堀辰雄 「旅の繪」
...隅々にまでも噎せつぽいやうな甘気な香りがこびりついてゐるやうな感じにも堪へられず...
牧野信一 「早春のひところ」
...隅々にまで充ちわたっていました...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...何しろ混乱は社会生活のあらゆる隅々にまで行渡つてゐて...
三好達治 「銀座街頭」
...僅かの間に全國の隅々にまで普及し...
柳田國男 「食料名彙」
...田舎の隅々にまで伝わっているのみならず...
柳田国男 「年中行事覚書」
...大衆の心理の隅々にまで喰込んで行った...
夢野久作 「探偵小説の真使命」
...欧米人は三百年の歳月を費してこの科学の精神を生活の隅々にまで浸透させて行った...
和辻哲郎 「鎖国」
...このことの影響は国民の性格や文化の隅々にまで及んでいる...
和辻哲郎 「鎖国」
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