...どころでない、宿へ皈ると、晩餉の卓子臺もやひ、一銚子の相伴、二つ三つで、赤くなつて、あゝ紅木瓜になつた、と頬邊を壓へながら、山鳥の旦那樣はいゝ男か知ら...
泉鏡花 「遺稿」
...夜遊の番傘が皈りました――熊澤さん...
泉鏡花 「遺稿」
...東京に皈ればパツと皆消える……日記を出して話した處で...
泉鏡花 「遺稿」
...それとても行くとも皈(かえ)るともなく煢然(けいぜん)として独り佇(たたず)むばかりで...
泉鏡花 「遺稿」
...皈り途(みち)の按摩さんには下口になる...
泉鏡花 「遺稿」
...あの海岸を辿って皈った...
泉鏡花 「遺稿」
...其夜四更(しかう)の頃(ころ)にいたれども主人(あるじ)は皈(かへ)らず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...(神使社頭へ皈る時里正(まちしやうや)の家に立より酒肴のまうけあり)神使社内へ皈(かへ)りしを見て踊(をど)りの行列(ぎやうれつ)を繰(くり)いだす...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...とられざるは海へ皈(かへ)る故(ゆゑ)に大小あり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...待し人の皈(かへ)りたればもはや用なし...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...七兵衛源教(げんけう)を伴(ともな)ひて家に皈(かへ)り...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...皈途、一杯また一杯、酔つぱらつて、おしやべり、――それもよからうではありませんか!ぼろ/\どろ/\五月廿三日 雨、霽れて曇...
種田山頭火 「旅日記」
...ピュローン等は他の點に於て「ソフィスト」等が未だ到達する能はざりし所まで懷疑説の論理的皈結をば追究して行つた...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...皈(かへ)りの遲(おそ)きを母(はゝ)の親(おや)案(あん)して尋(たづ)ねに來(き)てくれたをば時機(しほ)に家(うち)へは戻(もど)つたれど...
樋口一葉 「にごりえ」
...皈つたらば此処へ来い...
樋口一葉 「にごりえ」
...岡村の家へは頓着なしに是が非でも皈ろうと意気まく良人をなだめて父の許へ無心のたよりをやりましたところ...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...お皈りが大変お早かったこと」飯尾さんはこんなことを云いながら紀久子の淹れた茶をちょっとおし頂くようにして飲んだ...
矢田津世子 「父」
...姉が皈ったあとなど...
矢田津世子 「父」
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