...畜類の悪臭も、其処から薄暮の空気に漂ひ流れるものであつた...
飯田蛇笏 「薄暮の貌」
...生命(いのち)知らずが、誰にも解りこないから、歌を一つ一つ、異変、畜類な声を張り、高らかに唱(うた)って、続くは横笛、ひゃらひゅで、緞子袴の膝を敲(たた)くと、一座を(みまわ)し、ほほほ、と笑って、おほん、と反るんだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...彼等(かれら)の飼(か)つてゐた畜類(ちくるい)は牛馬(ぎゆうば)...
今村明恒 「地震の話」
...畜類の狗(いぬ)さへ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...同じ畜類ですもの...
中里介山 「大菩薩峠」
...人間の相でない、まるで畜類...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...魔党畜類(まとうちくるい)が姿を消したような晴々しさになり...
久生十蘭 「無月物語」
...備考の個所に家畜類の状態などを...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...かかる異色の畜類を見てその人為に出るを了(さと)らぬ人々は...
南方熊楠 「十二支考」
...また諺に紀州人の伴(つれ)小便などもいわば天禀(てんぴん)人にも獣畜類似の癖あるのが本当か...
南方熊楠 「十二支考」
...殊に貴族間に不倫の行多きを攻めた末ポンタヌスの書から畜類に羞恥(しゅうち)の念ある二例を引く...
南方熊楠 「十二支考」
...後には人の代りに畜類を生埋して寺を強固にするのが基督教國に行はれた...
南方熊楠 「人柱の話」
...畜類の身の上が羨(うらやま)しく思われた...
水上滝太郎 「九月一日」
...畜類は、その精神を鼻輪の下につながせておき、その自由自然な諸感覚の方は肉体に委せきっている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これらの畜類の腹を開(さ)くのになれている人々に尋ねた末...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...湯につかっているときに突然畜類のような長い舌を出して顎をぺろりと舐め廻すものや...
横光利一 「馬車」
...畜類違犯で獄中にあったり...
吉川英治 「大岡越前」
...「この畜類めらが首...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索